北海道キャンプ場見聞録
音江山(2017/03/20)
最高の青空
三段山を滑った後、深川へ移動してコテージに1泊。
そして2日目は音江山を滑る。
3連休の有意義な過ごし方だ。
歩き始めて直ぐに暑くてもう一枚脱ぐことに
皆で楽しく朝食を済ませ、そのまま直ぐ近くの音江山まで移動。
連休最終日は素晴らしい青空が広がっていた。
さすがにここではパウダーは全く望めず、それどころか、つぼ足でもそのまま歩けそうな堅雪になっていた。
午前8時30分に駐車場を出発。
最初から1枚脱いで登っていたのに、歩き始めて直ぐに暑さに耐えかねてもう1枚脱ぐ人もいる。
気温は0度くらいでも、陽射しが強いので暑く感じるのだろう。
林道をダラダラと30分歩き、ようやく山道へと入る。
そこから尾根のコルを目指して登っていく。
森の中はドラックだらけ
さすがに3連休最終日となるとそこら中がトラックだらけだ。
初日に音江山を登った人の情報では大人数のツアーも入っていたらしい。
1週間前に登った人の話ではスノーモービルも結構入っていたとのこと。
あまり良い状態は期待できそうにない。
コルから先は、帰りに登り返しにならないようにトラバースするのがポイント。
その跡を辿ってきたトレースは、あまり良いルートでは無かったので途中からそれを外れる。
その先には微かにスキーの通った跡は残っているものの、雪面が硬いのでスキーのエッジを立てながらトラバースしなければならない。
スノーシューのO橋さんは足が傾いたまま歩かなければならないし、スプリットボードのめぐちゃんはエッジが無いので、それぞれ苦労しながらトラバースしていた。
後ろに深川の街が見えてきた
後で考えてみれば、ラッセルしながら登っている訳じゃないのだから、もっと登りやすいルートを選べば良かったのである。
沢を渡り、山頂に繋がる尾根に向かって登っていく。
沢を渡ると、急に雪が柔らかくなってきた。
今の時期は、気温よりも陽射しによって雪が溶ける。
沢を渡った後は北向き斜面に変わるので、そうなるのだろう。
同じ様な北向き斜面でも、そのちょっとした向きによっても雪質がガラリと変わるのだ。
標高800mにも満たない音江山なので、上まで登っても雪は良くないだろうと思っていた。
それが、登るにしたがってサラサラした雪質に変わってきた。
山頂までもう一息
「これってもしかしたらパウダー?」
意外と楽しめそうである。
途中で一休みし、尾根の上まで出てきたところでもう一休み。
I上さんは「また休むの?」と不満顔である。
気温が上がって雪が悪くなる前に滑りたいと考えているのだろう。
それまで後ろの方からゆっくりと登っていたI上さんが、休憩後は先頭にたって、私も追い付けないような早さで登り始めた。
そうして登り始めてから2時間30分で山頂に到着。
素晴らしい風景が広がっていた。
石狩平野に暑寒別岳、大雪山、道北の山々などが一望できる。
暑寒別岳をバックに記念撮影
山頂で滑走準備
後は、何処を滑るかである。
I上さんは西側の斜面を1本滑ってから登り返そうと言っている。
そこにはI上さんの大好きなノートラックの斜面が広がっているのだ。
斜面は既に荒らされまくっているだろうと考えていたのに、そんな斜面を見て目が眩んだのだろう。
ただ、西側斜面なので当然ながらサンクラストしている。
そんな斜面は私の技術では滑れないので、「やっぱり北斜面の方が雪が良さそうですよ~」と必死になって説得する。
それでもまだ迷っているようなので、私が途中まで滑り降りて斜面の様子を確かめる。
山頂直下の北東斜面を見るのはこれが初めてだった。
かなりの急斜面であることは想像できるので、これまではもう少し北側に降りたところから滑り始めていたのである。
急斜面を滑り降りるI上さん
斜面が急すぎて、直ぐ近くまで寄らなければ下の様子が分からない。
その下は40度近い急斜面だったが、ノートラックである。
私がOKサインを出すと、皆がそこまで滑り降りてきた。
しかし、斜面の途中に亀裂が入っているのが見える。
「ちょっと危ないんじゃないかな?」などと話している間に、昨日の夜から参加しているG藤さんが何の躊躇いもなく、そこを一気に滑り降りていった。
とても69歳とは思えない滑りだ。
その後にI上さん、T津さんと続く。
私は勿論、そんな斜面を滑る気にはならないので他のメンバーと一緒に北側にもう少し滑り降りる。
そこの斜面をかなりの斜度だったが、少しはましである。
雪は重ためでも気持ちの良い斜面だ
ただ、東向きの斜面なので雪は少し重ため。
その重たい雪に足を取られて私は途中で転んでしまった。
そこを一番楽しそうに滑っていたのはO橋さん。
ボードならば少々の重たい雪は気にならないのだろう。
カメラを向けていても格好良く見える。
ただ、昨日の夜に皆から言われていたように、ストックを持っていなければもっと格好良いはずである。
そこから1本、登り返し。
「いや~、良い斜面だった」と喜んでいたI上さん。
今度は、向かいに見えている斜面を滑ろうと言い始めた。
登り返し
冗談で終わるのかと思っていたら、それが本当になってしまったのである。
斜面はかなり急そうで、おまけに雪もそんなに良さそうには見えない。
わざわざそこまで行かなくても、こちらにも楽しく滑れる斜面がまだ残っている。
でも、皆が行こうと言っているのを止めることもできないので、ビデオで撮ってあげるからと言って、私とかみさんだけこちら側から滑ることにする。
どちらを滑っても最終的には下の沢で一緒になるのである。
30分ほど経って、皆はようやく向かいの山の上までたどり着いた。
ビデオ撮影に失敗すると、楽しみにしていた皆から怒られそうなので、必死になってレンズを向ける。
離れすぎているので、滑っている人の姿を探すのも大変なのだ。
ボードの2人は、半分くらいを横滑りで降りていたので、やっぱりかなりの急斜面だったのだろう。
向かいの山を滑る人達は小さくて良く見えない
こちらを滑った方が正解だったと思う
撮影を終えて私達も滑り降りる。
ノートラックのオープンバーン、まさかのパウダー斜面、こちらを滑った方が絶対に楽しかったのにと思ってしまう。
ちょうど向かい側の斜面に別れたメンバーが姿を現した。
そのままこちらの沢まで降りてくるのかと思ったら、そのままトラバースを始めた。
下まで降りてしまうと、平行移動でボーダーが苦労するとの判断なのだろう。
私達はそのまま、集合場所にしておいた最初のコルまで殆ど登り返すこともなく滑ることができた。
多分、無理をしないでそのまま沢まで下りた方が楽だったかもしれない。
集合場所で40分以上待って、ようやく他のメンバーも降りてきた。
やっぱり、トラバースがボーダーには辛かったみたいだ。
その先の斜度のない林道は硬く締まったままだったので、ボーダーの2人もノンストップで降りてこられた。
これだけ下山に苦労したO橋さんだったのに、それでも「やっぱり今回も最高でしたね」の決まり文句で、2日間のツアーを終えたのである。