北海道キャンプ場見聞録
三段山(2017/03/19)
パウダーを求めて高所へ
3月も中頃を過ぎればパウダースノーは標高の高い山でなければ期待できない。
そう考えて企画された3段山のツアー。
嫌らしい雲に覆われた三段山
しかし、天気は良さそうだけれど、気温は高め。
パウダーはダメでも山の風景だけを楽しもうと、白銀荘温泉の駐車場までやって来た。
3連休の中日だけあって、9時過ぎに到着した時は広い駐車場もほぼ満車になっていてビックリする。
車の温度計は、上富良野の街中では0度だったのがマイナス6度まで下がっていた。
新しい雪も積もったようで、周辺の森も真冬の風景である。
ただ、三段山にはもくもくとした雲がかかり、その雲が凄い早さで流されていく。
駐車場付近では風も殆ど吹いていないが、山の上の方での風の強さは容易に想像できる。
一段目を登る
集まったメンバーは何時もお馴染みの顔ばかり、8名。
昨日から新たに降り積もった雪は15センチ前後だろうか。
それが昨日のトラックを覆っていたが、その跡は完全には隠されていない。
ただ、その雪は一粒一粒の結晶がそのまま降り積もった本物のパウダーである。
今シーズンはこんなパウダーには、まだお目にかかっていなかった気がする。
さすが三段山である。
しかし、こんな軽い雪ならば強い風が吹けばあっと言う間に吹き飛ばされてしまう。
2段目の上からはウィンドクラストした硬い斜面が待っているだろうだろう。
そんな事を考えながら、真冬の様な美しい雪景色を楽しつつ登っていく。
1段目を登った先のアカエゾマツの森
まるで蟻のような登山者の姿
1段目を登り終えた先に広がる真っ白に雪化粧したアカエゾマツの森。
その木々の間から、前十勝の斜面を沢山のスキーヤーが滑っている様子が見えた。
2段目を登っている途中から風当たりが強くなってきて、1枚脱いでいたアウターをここで着込む。
その先に見える3段目の斜面には、ツアーの人達の姿が砂糖の山に群がる蟻のように沢山見えていた。
心配していた雪も十分に残っていて登りやすい。
今年の新年会で三段山の山頂には登っているので、今回は山頂は目指さずに最初から右側に見える尾根に向かって登っていく。
尾根の上までやって来ると、更に風が強まる。
私としては、寒くて堪らないのでサッサと滑り降りたかったが、何処を滑るか最終的に決めるのはI上さんであることが多い。
地吹雪の中をトラバース
そのI上さんが考えていることはただ一つ。
少しでも人の滑っていない斜面を滑ること。
「ここをトラバースして、向こうに見えている尾根の先まで行ってみましょう」
しかし、見えていた尾根は安政火口へと落ちる崖尾根だった。
諦めて、そこから滑り降りることにする。
猛烈な風が吹き付ける中での滑走準備となってしまった。
2週間前の朝里岳での悲惨な状況を思い出す。
顔を覆うものを持ってこなかったので、頬が凍傷になりそうだ。
その風でかみさんがシールに被せる袋を飛ばしてしまう。
直ぐに駆けだしたT津さんが、最後は身体ごと飛びついて確保してくれた。
ここから西の谷に向かって滑り降りることに
少しだけ陽も射してきた
そこから続く斜面はシュカブラ気味に見えたが、雪は意外と柔らかく苦労せずに滑り降りられる。
そのまま西の谷へと滑り込む。
谷の中も、トラックは付けられているものの、荒らされていると言った雰囲気ではない。
雪は深く、気持ち良く滑ることができる。
「いや~、今回も最高ですね」
最近のツアーでの決まり文句となったO橋さんの言葉が飛び出す。
2月にバックカントリーデビューして、今回が7回目となるO橋さん。
最高でなかったのは、傾斜が緩すぎて途中で撤退した美比内山の1回だけだったらしい。
風の当たらない場所で一休みしてから、白銀荘まで森の中を滑り降りる。
そこの雪はフワフワのパウダーのままだった。
滑り終えて記念撮影
この後、上富良野のスーパーで名物豚サガリなどを買ってから深川まで移動。
コテージ1棟貸切で楽しい夜を過ごしたのである。
それにしても、三段山の駐車場も混んでいたけれど、ここの温泉も芋洗いのような混雑ぶりだった。
さすがに3連休の中日である。