北海道キャンプ場見聞録
羊蹄山(2017/03/11)
アプローチは長くても
広い駐車場が嬉しい
今週末は羊蹄山、登るルートはマッキモコースである。
雪がワサワサと降り続ける自宅を出発。
しかし、中山峠を越える頃には素晴らし青空が広がっていた。
喜茂別町の道の駅に集まってから、マッキモコースの登山口になる駐車場に移動。
登るコースによっては車の駐車場所にも苦労するのだが、ここには広い駐車場があるので大人数で集まる時も便利である。
上空には青空が広がっていても、羊蹄山には少しだけ雲がかかり始めていた。
遠くの方の空が雲に覆われ始めているのも心配である。
山頂や山腹にかかる雲が気になる
9時25分に登り始める。
スノーシューのトレースがあったのでその跡を辿るが、途中からそれが二手に分かれていた。
私達は山の方に真っ直ぐに続くトレースを選択。
しかしそのトレースも、山に向かわずにどんどん左手にずれていくので、途中で見切りを付け、トレースに頼らずに登ることにする。
これから登る斜面が次第に迫ってくる
そんなに深いラッセルでもないので、トレースから外れても大して苦労することはない。
登るルートも、ただ山に向かって真っ直ぐに進んでいくだけである。
ただ、木が混んでいるのでその間を上手くすり抜けるようにルート取りするのが難しいくらいである。
ただ、このコースは山に取り付くまでのアプローチが長いのが難である。
地形図の等高線だけ見れば、順調に標高を上げていけそうな感じだが、登っている時の感覚は殆ど平地を歩いていような気分である。
ただ一人、ボードで参加しているO橋さんが、早くも帰りのことを心配していた。
1時間近く歩いて、ようやく少し登り始めたように感じる。
森林限界を越えた山の中腹に人影が見えていた。
この時間でそこまで登っているのは、余程早い時間から登り始めたのか、余程の健脚なのかのどちらかだろう。
シールに雪がくっつき皆に付いていくのが精一杯だ
私達は正面に見える沢の左側を登るつもりだが、沢の右側を登っている人影も見える。
それぞれが、途中にあったトレースのグループみたいだ。
気温が高くて雪が溶けてきている。
その溶けた雪がシールにくっついて歩きづらい。
たまらずに途中でシール用のワックスを塗ったが、それもあまり効果はなかった。
他のメンバーはそんな事がないのに、私だけ雪が付くのである。
スキーを滑らすことができず、両足に重りをつけて登っているようなものなので、体力の消耗が激しい。
今日の参加メンバーは6名、久しぶりの少人数である。
I山さんとかみさんが先頭を登る。
後ろの方からマイペースでY須賀さんとS藤さんがマイペースでゆっくりと登る。
その間に私とOはしさんがいるのだが、私だけ次第に遅れ始める。
下界では雪が降り始めたようだ
硬くなったトレースの中を登れば雪も付かないと思って、一番最後から登ることにしたが、それでもダメだった。
雪がどんどんくっついて、最後には高下駄のようになってしまう。
皆のペースに着いていくのもやっとで、真面目に途中でリタイアすることも考え始めていた。
11時を過ぎる頃には山頂は完全に雲に覆われてしまった。
下界にも雲が広がってくる。
標高が上がると気温も下がり、雪質もサラサラになってきた。
おかげでようやく、シールにくっつく雪にも悩まされなくなり、先頭の二人に付いて登れるようになる。
次第に傾斜が急になってくる。
時折、陽も射してくるが、下界は雲に霞み、雪も舞い始める。
遅れずに付いてくるO橋さん
登っても登ってもなかなか森林限界を越えない。
一番後ろから「O橋さんの登れるところまでで良いよ」と声をかけていたが、何処まで登るかは先頭のI山さんの考え次第である。
O橋さんは何時も弱音を吐き続けながら登っているけれど、自分からもうダメだとは絶対に言わないのだ。
上の方から喚声が響いてきた。
先に登っていたグループが滑り降りているのだろう。
私も今日は消耗していたので、途中で「何処まで登るんですか~?」と声をかける。
森林限界は完全には抜けていないけれど、既に標高は1100mを超えていた。
区切りの良さそうな場所が見えていたので、そこを目標に登ることになった。
しかし、そこを過ぎてもまだ登り続ける先頭の二人。
するとI山さんが「トモコさんがどうしてもあそこまで行きたいというので、もう少し登りますから」
O橋さんが小さく悲鳴を上げる。
最後に登ってきたY須賀さんとS藤さん
ここが今日の山頂だ
結局、標高1200m付近まで登ってきた。
時計は13時45分。
時間的にも体力的にも、この辺りが限界だった。
その頃には雪がモサモサと降り始めていた。
その雪の中でシールを剥がして滑走準備をする。
雪は降っていても風が無いのが幸いだった。
見通しもそれ程悪くはない。
そこからは何時ものお楽しみの時間だ。
3月中旬になっても、ここはまだパウダーのまま。
完全なオープンバーンではないが、樹木の間隔も広く、その間をすり抜けながら気持ち良く滑り降りる。
標高が下がるとさすがに雪質も悪くなってくる。
それでも、最後に現れたオープンバーンを順番に滑り降りる。
何時ものO橋さんの「最高~っ!」の叫びが飛び出す。
雪が降っていても気にならない
そこで昼食を食べた後は、樹木に衝突しないように慎重に滑り降りる。
O橋さんが心配していた最後の部分も、スノーシューに履き替えて少しだけ歩いただけで駐車場まで戻ってこられた。
O橋さんの「今週末も最高でしたね~。」の決まり文句で、この日の羊蹄山ツアーを終えたのである。