北海道キャンプ場見聞録
四国お遍路 7日目(11月4日)
民宿山茶花 7:00 ~ きよ美旅館 15:15
移動距離 : 24.7キロ
参拝札所 : 23番薬王寺
宿泊 : きよ美旅館 素泊まり3800円 (年季の入った古い旅館)
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海に出てきた
今日泊まる宿までは22キロ程度なのでゆっくりと出発準備をしていたら、同宿のお遍路さんの中で私達が最後から2番目になってしまった。
それでも午前7時に宿を出発。
荒れ果てた月夜御水庵
山へ入っていく手前に番外霊場の月夜御水庵がある。
弘法大師お手植えの大杉、弘法大師が杖をつついたら水が湧き出した、弘法大師が沈んだ月を元に戻したなどと空海伝説オンパレードの霊場だけれど、その割には大師堂の屋根に雑草が生えていたりと、ちょっと荒れているのが気になった。
釘打遍路小屋で休憩していると、一番最後に宿を出た千葉の男性が追い付いてきた。
入れ替わりで私達は出発。
かみさんが突然のトイレ危機。
冷や汗を流しながら歩き続けて由岐駅のトイレに飛び込んだ。
そこにまた千葉県の男性が追い付いてきた。
彼は由岐に宿泊予定で、先に宿に荷物を置いてから23番薬王寺へ向かうとのこと。
そこからはJRで由岐まで戻ってこられる。
同じ歩き遍路でも、交通機関を上手く利用しながら回る人もいるのである。
歩き始めて初めて海に出てきた
由岐の街を過ぎるとついに海が見えてきた。
美しい砂浜が広がる田井ノ浜である。
海水浴シーズンには臨時の駅も開設され、多くの家族連れで賑わうらしい。
シーズンオフの静かな砂浜を、遠足に来た子供達が歩いていた。
田井ノ浜駅の裏にある東屋で一休み。
隣にはテントが一つ張られていた。
トイレもあるのでここもテント泊には良い場所である。
木岐の港を通り過ぎ、山座峠越えの山道へと入る。
標高100m程度の峠だけれど、既に18キロ近くを歩いてきているので結構きつく感じる。
俳句の小径を歩く
ここの山道は「俳句の小径」と名付けられていて、所々に俳句の書かれた木柱が立っている。
峠の頂上の小さな小屋に俳句の投函ボックスがあったので、そこで私も一句投稿。
「峠越え俳句の小径に励まされ」
ここでまた千葉の男性が追い付いてきて、入れ替わりで私達は出発。
再び美しい砂浜が見えてきた。恵比須浜である。
浜には小砂利の部分もあるので、そこで休憩して昼食にする。
ここには恵比須浜キャンプ村が隣接している。
せっかく重たいテントを背負って歩いているのに、こんな素適なキャンプ場を素通りするのが何とももったい。
美しい恵比寿浜
こんなホテルに泊まってみたいものだ
岩場の海岸沿いに歩いていくと、海に面した岩の上に建つ白いホテルとその先に広がる美しい砂浜が見えてくる。
画に描いたような風景である。
「たまにはこんなホテルにでも泊まりたいな~」と指をくわえながら通り過ぎる。
見えていた砂浜は大浜海岸で、ウミガメの産卵地としても有名らしい。
その大浜海岸に繋がる街が日和佐だった。
日和佐の街へ入ったところで、お遍路さん接待所の方から声をかけられる。
今日の目的地23番薬王寺までもう少しのところだったので、そのまま通り過ぎたかったが、せっかくのご厚意を断るのも失礼である。
コーヒーとお菓子をご馳走になり、15分ほど休ませてもらった。
薬王寺境内
そうして門前の古い街並みを通り過ぎ、午後2時15分に薬王寺に到着。
薬王寺では千葉県の男性の他に、昨日舎身ヶ嶽で合った男性とも再会。
お二人と会うのはこれが最後となる。
お遍路は出合いと別れの繰り返しでもある。
遠くからでも目立っていた境内の瑜祇塔まで登っていくと、日和佐の街並みが一望できた。
日和佐川が蛇行しながら街の中を流れ、正面の小山には日和佐城が見えている。
素晴らしい眺めだ。
薬王寺から日和佐の街並みを眺める
きよ美旅館の部屋
今日の宿は門前街のきよ美旅館。
老舗旅館の風情は良いけれど、シーツや枕カバーは洗濯してあってもシミが残っていた。
でも、素泊まり3800円の宿に文句は無い。
風呂は弘法大師ゆかりの薬王寺温泉に入り、夕食もそこのレストランで済ませる。
近くのスーパーで明日の朝食とビールを買い、宿に戻って乾杯。
といきたいところだったが、明日からの予定を考えなければならない。
当初の予定では、室戸岬を目指して1泊2日で60キロを歩くことにしていた。
しかし、1日30キロを歩く厳しさが十分に解ったので、ここでとうとう当初計画を変更し、室戸岬まで1日多くかけることに決めた。
そうして明日の宿を予約し、これでやっと落ち着いてビールを飲めるのである。
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