北海道キャンプ場見聞録
鵡川(2023/05/13)
ネギよりコゴミ
クラブ恒例の5月ネギ採り鵡川例会が、今シーズンの初川下りである。
この時期の鵡川は、年によっては雪解け水で増水していることもあるのだが、今年は雪解けが早かったこともあり雪しろも治まって穏やかな流れに戻っていた。
シーズン最初にいきなり増水した川は下りたくなかったので、これは嬉しかった。
増水も治まって穏やかに流れる鵡川
参加者は19名。
鉄橋の下で出艇準備をしていると、頭の上を特急おおぞらが通り過ぎる。
スタート地点は鉄橋の下
川に舟を浮かべ、まずはパドリングの感覚を思い出すために対岸まで漕いでいく。
そこで花を咲かせているミズバショウは、例年と同じ風景だ。
ミズバショウに混じって行者ニンニクも少しだけ生えているが、そんなものには誰も目もくれない。
ここから少し下った先にネギ畑が広がっているのは、周知の事なのだ。
スタート地点の対岸で咲いているミズバショウ
上空に広がる5月の爽やかな青空。
太陽の光が川底の石をくっきりと照らし出す。
そして瀬の波がキラキラと白く輝く。
流れに舟を任せてのんびりと下っていく。
スタート地点のザラ瀬
川岸にオオサクラソウの花を見つけて、写真を撮るのに一旦上陸する。
その間に皆は先に下って行ってしまうが、この先でネギ採りするのが分かっているので慌てることはない。
岸辺に咲くオオサクラソウ
そうして最後尾から下っていくと、ネギ取りに余念のない人たちの姿が見えてくる。
身軽なNもとさんが、急な斜面をスタスタと登っていく。
上陸した場所にいくらでも生えているのに、何故か斜面を前にすると皆は上へ上へと登っていくのだ。
少しでも良いネギを収穫したいからなのだろうか。
上陸したら直ぐに斜面を登り始める
今日はこの後、宿泊先のHOAで山菜パーティーが予定されているので、自分のお持ち帰り用の他にその分も収穫しなければならない。
私は今回HOAには泊まらないし、既に地元で採ったネギを沢山食べているので、皆の収穫している様子を川の上から眺めているだけ。
ウドも家の敷地の中に沢山生えているし、今回の狙いはコゴミだけ。
コゴミならば何処にでも生えていそうだけれど、家の周辺ではあまり見かけなくて、今年はまだコゴミを食べていないのだ。
ネギは何処にでも生えている
皆の収穫も一段落して、再び下り始める。
その先でも所々にネギ畑があったけれど、皆の狙いはウドに変わっていた。
私はコゴミの生えていそうな場所を探しながら下っていくけれど、川の上から見える場所にはコゴミは生えていない。
収穫を終えて下り始める
今年は桜の開花が記録的に早く、札幌でも私の住む清水町でも、桜はとっくの昔に散ってしまっている。
それが、この付近では今がちょうど満開となっていた。
山の斜面で桜が咲いている
川から見える斜面にも桜が美しく咲いていたが、皆はそれを見ているのか見ていないのか。
それぞれの目的を持って、山の斜面を眺めながら下っていく。
桜よりもウドが気になる
毎年、ウドを収穫している斜面があるのだけれど、そこのウドはまだ芽を出したばかりの大きさだった。
例年ならば、もう少し大きく育っているはずなのに、占冠の季節の移ろいは他の地区とは違っているようだ。
毎年ここでウドを採っているのだけれど
その先の河原で昼の休憩。
河原の後ろには河畔林が広がっていたけれど、そこでようやくコゴミを発見。
少し伸びすぎていたけれど、探せば丁度良い大きさのコゴミが直ぐに見つかる。
ようやく目的を達成して、再び下り始める。
これは少し伸びすぎだけど丁度よいコゴミも沢山あった
その少し先で、この区間の核心部が待ち構えていた。
今日の水量ならば下見無しで下っても良さそうだが、途中に流木が入っている恐れもあるので、一応は全員で下見をする。
岩避けが忙しいけれど、落ち着いて下れば問題はないだろう。
核心部まではのんびりと下っていく
3年前の同じ時期に下った時には、途中で桜が花を咲かせて良いアクセントになっていたのだけれど、今回はまだ咲いていないようだ。
場所によっても、季節の進み具合が違うのだろうか。
核心部の流れ
下見の結果、左側のルートで下っていけば途中で岩に引っ掛かって座礁することも無さそうだ。
ちょっと岩にぶつかりかけたけれど、何とか考えていた通りのルートで下ることができた。
右に行くと途中で座礁してしまう
下り終えた後は特等席の岩の上に陣取って、後から下ってくるメンバーの様子を眺める。
自分が沈しない限りは、ちょっとだけ優越感を感じながら眺めていられるので、先に下る方が楽しいのだ。
下り終えて高みの見物
核心部から少し下った先で、川の上に枝を張り出した桜が美しい花を咲かせていた。
ここが今回のベストビューポイントだった気がする。
美しい風景だ
今回のゴール地点は私が以前に下った時よりもかなり上流側になっていて、車で回送する時には「これでは下る区間が短すぎるんしゃないか?」と感じていた。
でも、ベストビューポイントを過ぎた後は、見るべき景色もなく、楽しい瀬もなく、「まだゴールに着かないのか~」とボヤいている自分がいた。
川の上に居られるのならば、何もない流れでも全く飽きることは無かったのに、何時の間にか変わってしまった自分が少しだけ嫌になった。
(当日12:00鵡川水位 占冠:330.14m)