北海道キャンプ場見聞録
厚田川(2017/06/17)
癒しの川下り
日曜日はママチャリレース、土曜日は天気が良さそうだけれど予定は無し。
そこにカヌークラブのmarioさんから、土曜日に厚田川か当別川を下りませんかとの誘いがあった。
どちらものんびりと下れる川なので、ママチャリレースの前日に下ったとしても翌日まで疲れが残ることもない。
ちょうど良かったので即座に手を上げる。
スタート地点は夏草に覆われていた
今週末は、クラブとして参加するママチャリレースがあるのでミニ例会は一休み。
しかし、クラブのコアなメンバーは、山菜の時期が過ぎた厚田川や当別川には全く興味を示さない。
三笠でi-Cup、釧路川でカナディアンカヌーのイベントがあるので、そちらに参加する人も多くて、結局は私達とmarioさんだけで下ることとなる。
2艇だけだと行動も速い。
marioさんのカヤックを私の車に積み込んでスタート地点に向かい、9時半前には既に川の上に浮かんでいた。
何時もスタート地点にしている場所は夏草に覆われていた。
3年前の時は草もほとんど生えていなかったのに、その変わり様に驚かされる。
近所のおじさんに見送られながら出発
近所の農家のおじさんが、橋の上から興味深そうに眺めている中、浅瀬でカヌーの底をゴリゴリと擦りながら下り始める。
直ぐに厚田川本流に合流して水量は安定する。
安定するとは言っても、水はやっぱり少ない。
今日はファルトボートを買ったばかりの入会希望者も誘っていたけれど、都合が付かなくて来れなかった。
もしも来ていたとしたら、この水量では下るのにかなり苦労しただろうし、おニューのファルトが傷だらけになっていたかもしれない。
水量が少ない時の方が水は澄んでいる。
水深の浅いところでは、茶色っぽい岩盤の川底が透けて見え、淵になっているところは川岸の緑を映し込み、川が緑色に染まって見える。
天気が良いので、その美しさが更に際立つ。
浅瀬が多く、ファルトで下ると苦労していたかもしれない
水の透明度は十分だ
川が緑色に染まる
厚田川を何度も下っているmarioさんは、ネギやウドが何処に生えているか、全て把握しているようだ。
「もう大きくなり過ぎてますね~」と呟きながら、各ポイントを見て回っている。
山菜シーズンにあれだけ採っておきながら、まだまだ採り足りないと言った風情である。
水面を走って逃げていくカモの親子
道道に架かる発足大橋に近づいて行くと、その周りをツバメが飛び交っていた。
コンクリートの橋桁の下には巣が作られていて、今が子育ての時期なのだろう。
鴨の親子が私達の姿に驚いて水面を走るように逃げていく。
大きな川だと横に逃げることできるが、小さな川なので下流に逃げるしかできない。
そうすると、再び私達が近づいて来るので再び下流へと逃げる。
そんな事の繰り返しで申し訳ない気持ちにさせられる。
この川の特徴とも言うべき、川を横断するような落ち込みが連続して現れる。
さほど大きな落差では無いが、その何処から降りるかを見極めながら下っていく。
その落ち込みを作っているのが、その横に露出している斜めになった地層なのだろう。
地学好きな人が楽しめそうな川である。
この断層が川の段差を作っているようだ
川を横断する落ち込みで遊ぶmarioさん
拾い上げられた雛
突然目の前に小さな鳥がフワフワと飛んできたと思ったら、そのまま川の水面に着水する。
良く見ると、小さな雛のようだ。
巣から落ちてしまったのだろうか。
頭の上からは親鳥のけたたましい鳴き声が聞こえてくる。
可哀相なので、拾い上げて岸へ戻してやる。
すると、そこの笹藪の中にも同じ種類の雛がとまっていた。
巣から落ちたのではなく、丁度巣立ちの時期だったらしい。
この1羽だけが、ドジって川の上に落ちてしまったのだろう。
無事に育ってくれることを祈りながら、再び下り始める。
(雛の写真を見た方から「アオジの雛みたいだ」と教えてもらいました)
堰堤の左岸は薮が濃くてポーテージも大変そう
この区間唯一の障害物である堰堤まで下ってきた。
何時もならば左岸からポーテージするところである。
左岸の樹木は数年前に全て伐採されていたのでポーテージも楽になったかと思ったら、その後再び木が茂ってきていて、以前よりも薮が濃くなっていた。
おまけに、生えているのは棘のあるニセアカシアである。
今回は管理道のある右岸をポーテージすることにした。
護岸ブロックの切れ間から上陸する。。
結構な高低差があったけれど、そこは比較的簡単にカヌーを引き上げられた。
しかし、そこから先のポーテージする距離が長かった。
我が家のフリーダムは、補修や塗装を繰り返したせいか、やたらに重たくなった気がする。
「こんなに重たかったっけ?」と言いながら、かみさんと2人で休み休み下流まで運んだ。
露頭でノジュールを調べる
そこで一休みしてから再び下り始める。
大きな露頭が現れた。
ここの地層も斜めに傾いていて、その中にノジュールのような玉石が列を作って露出している。
如何にも中に化石が入っているように見えるが、下に転がっている割れた石を見ても、中には何も入っていない。
一つだけ家に持ち帰って割ってみたが、やっぱり空っぽだった。
周りの風景を眺めながら、再びのんびりと下っていく。
クラブの何時ものメンバーならば、退屈な川だと文句が出てきそうな流れが続く。
marioさんも、激しい流れが好きなのかと思ったら、意外とこの厚田川の穏やかな流れが気に入っているみたいだ。
穏やかな流れをのんびりと下っていく
心が癒されていく
marioさんにとって癒しの川だ
その穏やかな流れにカヤックを任せ、幸せそうな表情で下っている。
marioさんにとっては、この厚田川は癒しの川なのだろう。
私達にとっても沙流川、鵡川、増水気味の尻別川とハードな川下りが続いていたので、久しぶりに心が安まる川下りである。
再び川を横断する落ち込みが連続して現れる。
こちらは落差もやや大きいので、増水したら結構激しい瀬になりそうだ。
しかし、今日の水量ならばアドレナリンが出ることもないままに下ることができる。
水量が増えれば迫力のある瀬になりそうだ
海を眺めながらお弁当を食べる
そしてその瀬を過ぎると間もなくゴールの橋に辿り着く。
スタートが早かったので、時間はまだ12時前。
かみさんが、川原で食べるために作っていたお弁当もまだ食べていない。
もう一つのお気に入りの川である当別川を見に行くと言うmarioさんと別れる。
私達は厚田のあいロード夕日の丘で海を眺めながら、川で食べるはずだったお弁当を食べてる。
気軽に下れる厚田川は私達にとっても癒しの川だった。
(当日11:00厚田川水位 4.21m)