国道231号線を厚田に向かって車を走らせる。 それなのに、今日の厚田川ダウンリバーに参加表明していた12人全員が、一人の脱落者も無く時間通りに集まってきたことに軽い驚きを覚える。 今回は川の水が多くて、途中の堰堤越えが難しいため、堰堤の下流側からスタートし、海まで下ることとなった。 雪解け水で増水している厚田川は流れも早く、途中で止まれるエディもあまりなさそうだ。 228君が乗っているカヌーは数日前に届いたばかりの新艇。 I山さんの場合、カナディアンから一旦CC(カヤックに膝立ちで乗ってシングルパドルで漕ぐ)に乗り換えて、それからのカヤック転向だったので、まだ大丈夫だろうと皆も思っていたし、本人もそのつもりだったらしい。 ハッキリ言って無謀なチャレンジだと思われた。 228君は、少し下った場所の川岸で必死になって木の枝につかまって留まっていた。 しかし私の目の前に現れたのは、カヌーに乗ったままの228君だった。 その瀬を過ぎた後は、うねりはあるものの、白波の立つような瀬は現れず、増水して流れの速くなった厚田川を淡々と下っていく。 木々の芽はまだ固いままで、目に付く緑はとうが立ち始めたフキノトウくらい。 |
小さな小川も滝となって本流に注いでいる | 彩りの少ない中で黄色い花が印象的だ |
ずーっと岸を眺めながら下っていたmarioさんが突然叫び声を上げた。 marioさんの言葉を信じた他の参加者は、最初からネギのことなど期待もしていなかった。 そこは如何にもネギが生えていそうな急な崖面だった。 そんな様子を呆れながら眺めていたが、かみさんがこんな崖を登るために密かに軽アイゼンを隠し持っていたことは、他のメンバーには黙っていた。 marioさんは形の良いネギを両手に持ってご満悦である。 |
急斜面を這い上ってネギを物色 |
河口では冷たい北西の風が吹き付けていたが、川の上ではその風もほとんど感じない。 そんな幸せな時間は直ぐに終わってしまったが、最初に集まった時の下がりきったテンションからは、皆完全に立ち直っていた。 丸裸の木々、白く濁って増水した流れ、滝となって流れ落ちる沢水、所々で花を咲かせるエゾノリュウキンカ。 |
日射しがあるだけでとても暖かく感じる |
ついついネギを探してしまう | こんな滝があちらこちらに |
厚田川はもともとが河原の少ない川だが、それが増水すると上陸できる場所はほとんど無くなってしまう。 目印の橋が見えてくる頃、その手前に白波の立っている場所があった。 上陸地点小さなエディしかないので、順番にカヌーを着ける。 |
ワイルドな昼食風景 | 再び川に漕ぎ出す |
海に近付くに従って、次第に風当たりも強くなってきた。 これまで、川を下って最後に海に出たのは、歴舟川、湧別川に続いて、ここが3回目となる。 川を下って最後に海に出るのは感動的だが、危険も伴うのである。 こうして厚田川の川下りは終わった。 2015年4月19日 曇り |
川を下って海へ出るのは最高の気分 |
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