それにしてもソロとタンデムでは、向かい風の中を漕ぐ時の疲れが全く違う。私は後ろで舵取りするだけなので殆ど疲れないし、前で漕ぐかみさんも特に向かい風を苦にしている様子も無い。
最近は「カナディアンカヌーはそもそも一人で漕ぐものであって、それに二人で乗り込み、しかも川まで下るなんて、わざわざ難しい競技にチャレンジしているようなものだ」と考えるようになっていたけれど、それが大きな間違いであったことにようやく気付かされた。
やっぱりカナディアンは二人で漕ぐ乗り物なのである。真のカヌー乗りとなるためには、そこから派生する様々な困難、夫婦間のトラブルなどは、どうしても乗り越えなければならない壁なのである。
最初の予定では穂別橋から15km程下流の栄和橋まで下ることになっていたけれど、水が少な過ぎるので、その手前半分くらいの場所で上陸することに変更されていた。
この向かい風で、もしも当初予定通りに下ることにしていたら、とんでもなく悲惨な例会になっていたことだろう。
でも2馬力で漕いでいる我が家は向かい風も気にならず、ロングツーリングをしたい気分だった。
退屈な流れと単調な景色が広がっているだけだったとしても、初めて下る川は楽しいものである。
もっと下流に行けば、それこそ川の上からは堤防の土手しか見えなくなるのだろうけど、ここではまだ、川の流れが抉り取った見上げるような土壁の横を通り過ぎたりとそれなりの変化も楽しめる。
川旅気分で下りたいところだ。
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