旭川カヌークラブ主催の第20回石狩川カヌーレース、去年に引き続き我が家も出場することにした。
去年のレースでの反省点は、まずはコースの下見が大事だと言うこと、そして、水舟になった時、いかにして水を早く汲み出せるかの二つだった。
今年は我がウィルダネスカヌークラブ(WCC)からも9チームがエントリー、前日の下見にはその中の4チームが参加。他のカヌークラブからもそれぞれ強豪チームが下見に来ていた。
我がクラブはカヤッカーが多いので、今日は下見と言うよりもタンデムカナディアンでパドリングの練習と言った雰囲気である。
永山橋からのスタート時は時雨模様の天気で、突然の土砂降りに突風という生憎の空模様。河原に置いてあったアリーが吹き飛ばされてしまうくらいの風の強さである。
スタートしてしばらくは穏やかな流れが続く。途中で流れが二股に分かれ、左岸よりの直線ルートと右から大きく回り込むルートに分かれていた。
試しに別々のルートを下ってみると、右岸側のコースの方が明らかに流れが速い。明日の本番では、上手くいけばここで差をつけることができそうだ。
その後、かなり波の高い瀬が現れた。前を行くカナディアンのバウが思いっきり跳ね上げられ、宙に浮き上がる。我が家も続いてその瀬に突入する。
一番波が高くなっている流芯を外して漕ごうと思ったが、そうすると斜めから波を被ることになってバランスを崩しそうなので、そのまま波の頂点を目指した。
ちょっとぐらついたけれどそこを無事にクリア、その後も結構な瀬が続く。隠れ岩もあるし、こんなところを団子状態で進んできたら何が起こるか分からない。
途中で一息つく頃には雨も上がって虹も出てきた。
今回はカヌーの水出し用の秘密兵器、「バケツ」を用意してきたけれど、カヌーの底に少し溜まったくらいの水を汲むのにはあまり効率は良くない。カヌーが水没するくらいの水が入った時には役立ちそうだが、先ほどの瀬の通過時でもそれほど水も入らなかったので、「バケツ」の活躍の機会は無さそうだ。
そこから先、去年のレース時に勝負の分かれ目になっていた病院裏の瀬の落ち込みは、完全に潰れてしまい、普通の早瀬に変わってしまっていた。去年は確実にここで水を汲むことになるので、そこでの水出しがポイントになっていたのである。
逆に、そこを過ぎた先の瀬は去年より迫力が増している感じで、そこでのコース取りも勝負の分かれ目になりそうな雰囲気だ。
今日はコースを確認しながらゆっくりと下るつもりだったのに、急造ペアの2艇がどんどん先に行ってしまうのでそれに付いていくだけで大変である。
何だか下見だけで体力を使い果たして、翌日の本番に挑むことになってしまった。
そしていよいよレース当日を迎えた。
参加は50チーム、それをA組、B組二つに分けて予選が行われる。Aは永山橋から北旭川大橋まで、Bは北旭川大橋から秋月橋までの区間を下り、それぞれの上位半分が決勝レースに進むことができる。
A・Bどちらにするかは受付時に自分で選ぶことができる。Aの方はこれと言った難所がないので体力勝負、Bの方は瀬が多いのでコース取りなどテクニックが必要なコースだ。
我が家もどちらの予選コースにするか、かなり迷ったが、かみさんが団子状態で瀬の中を下るのは嫌だというので、体力勝負のAを選択した。前日の下見でルートは覚えているし、トラブルさえなければ上位半分には入れるだろうとの目論見である。
様々な種類のカナディアンがスタート地点にずらりと並んだ様子は、壮観である。水汲み対策に色々と工夫しているカヌーも多い。
我がクラブのG藤さん・T津さんペアは、カヌーの中に隙間無く発泡スチロールを詰め込んで、これで本当にオープンカナディアンのレースに出場できるの?って感じに改造している。
他にもガンネル部分を高くしたり、バウに波よけを付けたり、シートで覆って水が入らないようにしたりとか、苦労の後がうかがわれる。
我が家の秘密兵器「バケツ」は、昨日の下見時にほとんど役に立たないことが分かったので、車の中に置いてきてしまった。
川の中に一人で入ってパドリングの練習をしている人がいる。よく見るとそれは我がクラブのO会長だった。
普段はカヤックに乗っているO会長、本番直前でシングルパドルの漕ぎ方の練習をしているようでは先行き不安なこと此の上ない。
いよいよ予選A組のスタート。WCCからは6チームがエントリーしている。
25艇が川岸に1列に並ぶ。並び順は下流側から受付順で、我が家は前から8番目と有利なポジションだ。
バウに一人が乗り込み、スターンはカヌーを押さえながらスタートの合図を待つ。
5、4、3、2、1、0!
カヌーを流れに押し出して、一気にそこに飛び乗る。川の本流にいち早く乗るため、まずは流れの中央を目指す。
有利なポジションからスタートした割に、本流に乗った時には既に何艇かに抜かれてしまった。後は団子状態でそのまま進む。
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