北海道キャンプ場見聞録
某バックカントリー(2022/02/19)
パウダー三昧
週末の今日は、某バックカントリーを滑ろうと6名が集まった。
朝7時前に家を出ると、道路は昨日の日中に降った雪が凍りついて、ツルツルのアイスバーン。
国道では事故でも起こったのか、途中で車の流れがピタリと止まり、救急車に消防車、パトカーが次々に渋滞の列を追い越していく。
このまま渋滞の中に留まっていては集合時間に遅れそうなので、Uターンして一度引き返し、高速道路を利用することに。
それで何とか遅刻しないで集合場所に着いたが、今日のメンバーの中にはその渋滞の原因となった事故に危うく巻き込まれそうになった人もいたようだ。
そんなこともありながら、今日のバックカントリーには一番乗り。
昨日の雪は山の上にも結構降っていたようで、目の前にはノートラックパウダーの素晴らしい斜面が広がっていた。
目の前には素晴らしい斜面が
しかし、滑り出しがかなりの急斜面で、おまけにノールになっているので先が見えない。
皆はノートラックの斜面を目の前にして次々と滑り下りていく。
気が付くと残っているのは私一人。
ノートラックの斜面などどうでも良いから、皆の滑り下りたトラックの中を恐る恐る滑り始める。
360度カメラで上から
最初の急斜面を下りてしまえば、後はそれ程でもない。
と言うか、雪が深いので急斜面でもそんなにスピードは出ないのである。
オーバーヘッドのパウダーとはいかないが、それでも胸まで雪を被ってしまう。
皆の顔は笑顔でいっぱいだった。
私も笑顔のつもりだけれど、少し引き攣った笑顔だったかもしれない。
最後に滑ると斜面はトラックだらけだけど、それも気にならない
その後も、先が見えないような急斜面が現れる。
ここを滑るのは6年ぶりだけれど、こんなに急だったかな?って印象である。
沢地形なので、その気になればもっと下まで滑れるけれど、登り返しのことを考えて途中で切り上げた。
それでも標高差にして300m近くは滑り下りてきたようだ。
「今日の雪なら3回は登り返そう」何て話になっているのだ。
急斜面に腰が引ける
私達の他にボーダーのカップルと、3人連れのスキーヤーが滑ってきていた。
ボーダーの二人が先に登り始めたけれど、スノーシューのトレースは急すぎる。
それを使わせてもらうのは難しそうなので、自分たちでラッセルするしかない。
深雪のラッセルは大変なので、少しでも楽をするために滑ってきたシュプールをできるだけ利用する。
急斜面のラッセルはきつい
とは言っても、最後の急斜面は登るだけでも一苦労だった。
途中でI山さんからI上にラッセル役を交代。
他の4人は60代後半から70代で、全く役に立たないのだ。
二人が付けてくれたトレースの中を登るのでさえ四苦八苦である。
お年寄りはマイペースで無理をせずに登る
そんな時に、後ろから3人連れスキーヤーが登ってきた。
皆、若そうなので先を譲る。
私達が苦労しているのを見て、わざわざ緩い傾斜で登ってくれたので助けられた。
ラッセルしているのに私達より速いのは、流石である。
若者3人のラッセルに助けられた
2本目は滑り出しの場所を少し変えて、違う斜面にドロップイン。
1本目よりはパウダーの滑りに少し慣れてきて、気持ち良く滑ることができる。
途中でI山さんがカメラを構えているのが見えたので、その横を颯爽と滑り降りる。
自分の上げたスプレーに木の影が写っている
ここまで、他の人の滑っている写真を撮っている余裕が無かったので、私も途中でカメラを構えた。
ところが、液晶の画面が真っ白で何も写らない。
壊れたのかと思ったが、レンズが雪で覆われていただけだった。
ザックのショルダーベルトに、カメラを裸のまま取り付けているので、自分の巻上げたパウダーでカメラが雪まみれになってしまうのだ。
ショルダーベルトに取り付けてあるカメラが滑っている間に雪まみれに
一番最後に皆のいる場所まで滑り下りたところ、I上さんの姿が見当たらない。
例によって、パウダー斜面を目の前にすると、何処までも滑っていってしまうI上さんなのである。
最近は皆で無線機を持つようになってきたので、離れ離れになっても大して問題はない。
私も無線機を持った方が良いのだろうが、大体は他の人が持っていてくれるので、常にそんな人の側に居るようにすれば、わざわざ買う必要もないのだ。
下まで降りてきたら一人足りない
皆で昼食休憩をとっている間に、I上さんが一人で登ってきた。
私達の少し下にスキーヤーの3人が降りてきていて、彼らはそこからお帰りコースの方に登っていったようだ。
私達はもう1本滑るつもりなので、逆の方向に登っていく。
最初の登り返しのトレースを使うつもりでいたけれど、そこからは結構離れていたようで再びラッセル地獄となる。
結局、トレースに合流できたのは、若者3人が新たに付けてくれた緩いトレースの途中だったのである。
74歳のG藤さん、遅れること無く登ってきて、最初は先頭でラッセルも
太陽に暈がかかっていた。
明日からは天気が崩れる予報なので、その前兆なのだろうか。
今回は天気はあまり期待していなかったのだが、最初からずーっと太陽が出ていて助けられた。
日射しが無いと雪面も見辛いので、そんな時に急な斜面を滑るのは余計に怖いのだ。
太陽の暈は天気が崩れる前兆
長老のお二方はここで終了。
そのままお帰りコースを滑り降りる。
私も2度めの登りで結構疲れてきていたので、同じ歳のS藤さんが「俺も止めるわ」と言うのを密かに期待していたのだが、S藤さんは滑る気満々。
これでは私も止めるわけにはいかないので、もう1本滑って登り返すことに覚悟を決めた。
ここが一番気持ち良く滑ることができた
3本目に滑った斜面は、極端な急斜面も無く、樹林帯も少なくて見通しも良い。
こんなところでは、ビビらないで思いっきり滑ることができる。
気持ち良く滑っていると登り返しの苦労などすっかり忘れてしまう。
最後には1本目に滑り下りた場所に合流。
ようやく他の人を撮影する余裕ができた
3本目の登り返しは、2本目でお帰りコースに登っていた3人連れのトレースを使わせてもらう。
その場所までは40mほどラッセルして登り返すことになるが、途中でI上さんが一人で登り返したトレースもあって、それ程苦労しないで合流できた。
ただ、1本目は私達のために緩く登ってくれた3人連れも、ここでは結構強引に登っていったようで、トレースの中の登りでも結構大変だ。
それでもこれが最後だと思えば何とか頑張れるものだ。
ツルアジサイの絡むダケカンバが格好良い
風景を楽しむだけの余裕もある。
そして、まだノートラックのままの斜面も。
「また来たいね」
そんな言葉が自然と出てくる、楽しい山行だった。