北海道キャンプ場見聞録
千尺高地・長尾山(2020/03/25)
無意根山はあっさり撤退
天気が良いので無意根山に登ろうと思い、朝7時には千尺高地の登山口までやって来た。
考えることは皆同じようで、駐車スペースには既に4台の車が停まっていた。
この時間から登り始めると言うことは、無意根山を目指す人達なのだろう。
詰めれば奥にまだ2台は停められそうだ
7時20分に登り始める。
前日に雪が降り、今日は単独行で一人でのラッセルを覚悟していたが、先客がいるので楽ができそうだ。
私の少し前に出発した単独の男性の後を追いかける。
スノーシューで登っている人もいるようで、そのトレースは学校跡地への急な斜面を登っていた。
私の前を登る男性はスキーなので、素直にそのまま林道を登っていく。
林道を少し登れば直ぐに定山渓天狗岳が姿を現す
早くも定山渓天狗岳の姿が見えてきた。
千尺高地を登る時は、この天狗岳の姿が楽しみの一つでもある。
千尺高地へのルートは夏道コースと胡桃沢林道コースがある。
私は林道の方を登りたかったけれど、先行の男性が途中から夏道コースに合流したので私もそちらへ進む。
夏道コースにはスノーシューのトレースが続いていた。
後ろを振り返るとそこには定山渓天狗岳
今日は天気が良いので、重たい一眼レフカメラを首からぶら下げて登っていた。
時々木々の間から見える定山渓天狗岳や余市岳にカメラを向ける。
木々の間から余市岳が見えた
登るにつれて定山渓天狗岳がその全貌を現してくる
途中で先行の男性を追い越す。
他にもスキーの先客がいると思っていたが、それは昨日のトレースのようだ。
そのトレースも次第に消えてきたので、スノーシューのトレースの方に移る。
しかし、急斜面になるとそのトレースを追えなくなり、自分でラッセルしながら登ることになる。
久しぶりのラッセルもなかなか楽しいものである。
直ぐ横に千尺高地の北斜面が見える、下山はここを滑りたいが・・・
前方に続くスノーシューのトレース
最後の急斜面を登り切ると、後は千尺高地のピークまでなだらかな斜面が続く。
周りの山々の展望が素晴らしい。
ここまで来たら千尺高地ピークは目の前
ここでも定山渓天狗岳
そして、登り始めてから約2時間で千尺高地山頂に到着。
ここからの一番のビューは何と言っても羊蹄山である。
端正で美しい姿を思う存分楽しませてくれる。
羊蹄山が最高に美しい
今日は風が強い予報だったけれど、それ程の強風でもない。
風が強ければ千尺高地だけで止めておくつもりでいたけれど、予定通り無意根山を目指すことにした。
スノーシューのトレースもそちらに向かっていた。
余市岳も負けずに美しい
千尺高地から少し下って、風の当たらない場所で休憩していると、途中で追い抜いた男性が再び追い抜いていく。
彼もそのまま無意根山を目指すようだ。
定山渓天狗岳の向こうに暑寒別岳など増毛山地の山並みがくっきりと見えていた。
空気が澄んでいるので、そこに山さえあればどんなに遠くまでも見えそうな気がする。
定山渓天狗岳から白井岳まで一望
遠くには増毛山地の山々が見ている
スノーシューのトレースは左にそれて長尾山を目指してたけれど、単独の男性はそのまま真っすぐに無意根山方向に向かっていた。
私もその後を追う。
無意根山には雲がかかってきていた
この辺りから急に風が強くなってきた。
気がかりなのは、周りには青空が広がっているのに無意根山周辺だけに雲が広がってきていることだ。
風で飛ばされて固く締まってきている雪のラッセルはなかなか大変である。
疲れて休んでいる男性を追い抜いて、私が先に進む。
この辺りから風が酷くなってきた
時々身体が飛ばされそうになるくらいの強風に晒される。
間近に迫ってきた無意根山には雲がかかり、風で飛ばされた雪で東側が白く煙っていた。
ここで撤退を決める
元々は、風が強ければ千尺高地だけで止めるつもりでいたし、これでは山頂まで登ったところで景色は期待できない。
無意根山の東側に見える札幌岳や漁岳の姿を楽しみにしていたけれど、その姿は1269ポコからでも十分に見えている。
あっさりと撤退を決めた。
無意根山の東側に広がる山々、札幌岳や漁岳などが見える
反対側には積丹の山々が見える
「えっ?ここまで来て止めちゃうの?」と驚きの表情を浮かべる男性に別れを告げて、千尺高地へと戻る。
そのまま戻るの悔しいので、長尾山にも足を延ばすことにした。
無意根山は初めての山だったけれど、この長尾山にも登った事はなかったのだ。
登ると言っても30m近くをダラダラと登り返すだけである。
前方のなだらかな丘が長尾山
山頂まで登っても景色が大きく変わる訳ではないけれど、一応は地形図に名前が載っている山の初ピークである。
こちらも地吹雪が凄まじかった。
写真を撮って早々に下山開始。
千尺高地との鞍部まで降りてくると風も遮られるので、ここで昼の休憩をとることにした。
休んでいる間に無意根山にかかっていた雲がみるみる小さくなり、穏やかな山の姿に戻っていた。
ただ、見かけは穏やかでも風は相変わらず強いはずだ、と自分に言い聞かせる。
雲の取れた無意根山、あの暴風が信じられない
今回は単独行なので下山も安全を期して、登ってきたルートをそのまま下りるつもりでいた。
しかし千尺高地ピークから続く北斜面には、誰かが滑り降りたシュプールが描かれていた。
ここを滑り下りれば胡桃沢林道コースに合流する。
先に滑っている人がいれば道に迷う心配も無いので、私もそこを滑ることにした。
羊蹄山にニセコ連峰も見える
陽射しは強かったけれど北斜面なので雪はパウダーのまま。
多分これが今シーズン最後となるパウダーを気持ち良く滑り降りる。
北斜面でシーズン最後のパウダーも楽しめた
途中で少し木が混んでいる場所もあるけれど、途中から林道に出て、登り返しもなく一気に駐車場所まで滑り降りることができる。
千尺高地からスキーで下山するならば、最初だけ少し急だけれど、北斜面を滑って胡桃沢林道に入るのが一番である。
無意根山の初ピークを踏めなかったのは心残りだけれど、最高の風景を楽しめて満足のできる山行だった。