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チセヌプリ(2018/04/14)

シーズン終了間近

ニセコのコテージが借りられることになったので、そこに泊まって山スキーを楽しみましょう。
そんな話から、初日に登ることになったのがチセヌプリ。
生憎天気は下り坂で、翌日の天気予報は雨。山に登れるのは多分今日だけになりそうだ。
 

今日の天気も曇りだけれど、高層の雲なのでニセコの山々や羊蹄山は山頂までくっきりと見えている。

駐車場からは、目指すチセヌプリの山頂がスキー場のゲレンデの向こうにポコッと頭を出していた。

そのゲレンデを登っていく人の姿も見えている。
キャットスキーの営業期間中はゲレンデに入ると文句を言われるみたいだが、今の時期ならば誰もそんなことは気にしていないようだ。
私たちも堂々とゲレンデを登らせてもらう。

50分ほどで、ゲレンデの上へと出てきた。
そこからチセヌプリの下までは緩やかな登りとなる。


チセヌプリスキー場のゲレンデを登っていく



3週間前に縦走してきたビーナスの丘やシャクナゲ岳を横に見ながら、ゆっくりと登っていく。
チセヌプリの山頂へと続く急斜面が次第に迫ってくる。


目の前に迫ってくるチセヌプリ

 

年によっては、黄砂のために白い雪がかなり汚れて見えることもあるけれど、今年は黄砂の影響も少ないようだ。
急斜面の登りが始まる前にスキーアイゼンを装着する。


横に見えるビーナスの丘やシャクナゲ岳


私だけ他のメンバーとは少し離れたルートで登っていたので、皆が休んでいる間に先に登り始める。
皆より先に山頂に着いて優越感に浸ろうとの考えである。


急斜面の登り

融けて柔らかだった雪も、登るにしたがって気温が下がり、上の方の雪は固く凍ったままである。
それでも、ガリガリのアイスバーンではないので、アイゼンの刃も適度に効いてくれてスキーがスリップすることもない。

とは言っても、木が一本も生えていない急斜面。
ここで転べば、長い距離を滑り落ちるのは必至である。

これがあるのでかみさんは、チセヌプリに登ると聞いた時に嫌そうな表情を浮かべていた。
後ろから登ってくる他のメンバーの写真を撮るのも、滑落の恐怖と闘いながらだ。

ニセコ連峰の山々や羊蹄山を背景に登っている皆の姿。
美しい構図である。


後ろに見えるニトヌプリ、イワオヌプリ、ニセコアンヌプリ、そして羊蹄山


余裕をもって皆より先に登っているはずが、最後は殆ど追い付かれるようなタイミングで山頂到着。
駐車場から2時間弱で登ってこられた。


チセヌプリの平らな山頂



山頂で記念撮影

スキー場のリフトが動いていた頃は、その終点から1時間ちょっとで登れていたのだから、そんな時代が懐かしくなる。

暫くしてから、皆から大きく遅れていたK岡さんが登ってきた。

途中で他のメンバーの姿が一人も見えなくなったものだから、かなり不安になっていたらしい。

皆が揃ったところで山頂標識の前で記念撮影。
カヌークラブの今シーズン17回のツアーの中で、山頂で記念撮影したのは、白樺山に続いてこれが2度目である。
かなり貴重な写真である。



そして、下山開始。
皆が一番楽しみにしている滑りの時間なのだけれど、今日は少々事情が違った。
ザラメ雪ならばまだ良いのだが、上部の斜面はまだ凍ったままなのである。
まずはI山さんがビデオ撮影のために、ガリガリと音を立てながら凍った斜面を滑り降りる。


最初にI山さんが滑り降りる、ニセコパノラマラインの除雪も始まっていた


パウダーの時ならば、登っている最中から「何処のラインを滑ろうか」と落ち着きがなくなるI上さんなのに、今日の雪質では全くやる気がなさそうである。


一人だけ張り切っているT津さん

F本さんも右に同じ。
張り切っているのは、悪雪大好きなT津さんくらいだ。

ゴーグルをしていると、凍った雪面が青く見える。
そこには実際に薄い氷が張っているのである。
滑っていて良い気持ちはしないが、その氷は簡単に割れるので、滑るのにそれほど支障はない。
私にとっては変なモナカ雪よりも滑りやすく感じる。

何時もならばニトヌプリ側の沢に向かって一気に滑り降りるところなのに、I上さんは「ここを滑っても帰りのトラバースに苦労するだけだから、スキー場の方に降りましょう」と言い始めた。

その後にどんな苦労が待っていようとも、パウダーを目の前にすると何も考えずに滑り降りてしまうI上さんの言葉とは、とても思えなかった。
勿論、他のメンバーに異論はない。


眺めの良い場所で一休み。
下から眺めると、そこからチセヌプリの山頂までは簡単に登れそうに見える。
見るのと登るのとでは大違いである。


滑ってきた斜面を眺めながら一休み


スキー場のゲレンデまで降りてくると良い感じのザラメ雪になっていて、そこを気持ち良く滑り降りる。


屋根が半分落ちたリフト乗り場

リフト乗り場の建物は、雪の重みで屋根が潰れかけていた。
売りに出されていたスキー場に、新たな買い手が見つかった時には、これでまたリフトが使えると喜んでいたのに、このリフトが動くことはもう2度と無いだろう。

リフトが動くどころか、一般登山者のゲレンデ立ち入りまで禁止されてしまったのである。
金儲けしか考えていない外国資本が入ってくるとこうなってしまう。

この後、皆で買い出しに行った倶知安のスーパーでは、外国人観光客を目当てにした高級食材が並べられていた。
スキー場周辺では高級コンドミニアムなどが次々に建てられていて、ニセコの変貌ぶりは凄まじいものがある。

ヒラフ周辺の宿に泊まることはもう無いだろうと思っていたら、今回泊まったコテージはヒラフの中心部近く。
普通に泊まればかなりの料金を取られそうな立派なコテージだったけれど、会社の保養施設になっているので、安く泊まらせてもらえた。


立派なコテージ

皆で肉を囲む


気心の知れた仲間でワイワイと肉をつつきながら、くだらない話で盛り上がり、楽しくお酒を飲む。
そして部屋のテレビで、今年のツアーの動画を見ながら反省会。

夜から降り始めた雨は翌日になっても止まずに、その日はニセコビュープラザで買い物をしてから帰札。
今シーズンはあと何回バックカントリーで遊べるだろう。



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