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札幌タケノコ山(2018/03/07)

新フィールド開拓

家を出る時、札幌の上空には青空が広がっていた。
しかし、北の空や、我が家から見える山の方には雲がかかっている。
西風が吹いている時、冬の札幌には良くある天気のパターンである。

朝里川温泉経由で札幌国際スキー場を目指すと、自宅から見えていた通りに雲が増えてきた。
スキー場前を通り過ぎ、予定していた駐車スペースに到着した段階で、登る山はまだ決まっていなかった。
スカッとした青空が広がれば迷沢山か奥手稲山に登ろうと考えていたが、この天気では展望もあまり期待できない。
そこで今日は、その駐車場所から登っていく934m峰を目指すことにした。

道路を横断してダケカンバの多い林の中へと入っていく。
ネットで調べると、この934m峰はタケノコ山と呼ばれているみたいだ。
南富良野にもタケノコ山があるので、こちらは札幌タケノコ山として区別している。
滑りも楽しめるようで、以前から気になっていた山なのである。

3日前に札幌の最高気温は10度を超えていたので、山の雪の状態もかなり悪くなっているはずだ。
ところが、翌日から気温が下がり、前日にはこの辺りでも雪が降っていたみたいなので、もしかしたらパウダーも期待できるかもしれない。

少し雪の被ったトレースが林の中に伸びていた。
それ以外にも、かろうじて識別できるトレースも残っている。
雪の被ったトレースは、多分昨日の雪の降る中で付けられたものだろう。
雪質も悪くはない。

10分ほど歩いたら、林の先に白い山肌が見えてきた。
「もしかしたら、あれが今日滑る予定の斜面なのだろうか。」
あまりにも近過ぎるので、地図で確認したところ、やっぱりそれで間違いなかった。


林の奥に目的の山が見えてきた


25分ほどで林を抜けて、934m峰を見上げられる開けた場所へと出てきた。
右手の方に見える尾根の上には雪庇が発達していて、あまり近づきたくない雰囲気である。


山の下に出てきた

 

ここまで道案内代わりに辿ってきたトレースは、その先には見当たらない。
雪庇は嫌なので、左手の尾根を登ることにした。

そこからはラッセルしながらの登りになるけれど、足首程度のラッセルなので全く気にならない。
逆に自分の好きなルートで登れるので、余計なトレースの無い方が登りやすい。

樹木もまばらで、この尾根を滑るのも楽しそうだ。
ただ、日当たりの良い場所ではところどころサンクラストしていた。
これからの時期は、やっぱり北斜面を滑るのが良さそうだ。

次第に尾根が細くなってきて、そのまま山頂へと続いている。
最後の部分はかなり急そうで、左から巻きながら登ろうとも考えたが、そこもかなりの急斜面である。
かみさんは「山頂まで登らなくても良いんじゃない」と言い始めた。


右の林間の方に入ってみる。
そこも急斜面だったが、まだ何とか登れる斜度である。

しかし、最後の2~30mで更に斜度がきつくなる。
無理をすれば登れそうだけれど、3日前の暖気を考えると、雪崩の心配も頭をよぎる。

それよりも、後ろから伝わってくるかみさんの「もう止めましょうオーラ」が強すぎたので、標高890m付近で登頂を断念することにした。
無理してピークを目指すような山ではない。

でも、もう少し登れば今まで見たことのない角度から札幌国際スキー場を眺められたはずなので、それだけがちょっと心残りである。

そしていよいよお楽しみの滑降である。
しかし、そこから下の斜面の全容を確認できないので、どちらに向かって滑れば良いのかが分からない。
おまけに急斜面である。


山頂から一気に滑り降りたら気持ち良さそうだ




恐る恐る途中まで滑り降りる。
左側にオープン斜面が広がっていたが、そちら側は下からも確認できた雪庇の発達した場所である。
そこには近づきたくないので、反対側に向かって滑っていく。
そこでようやく、楽しく滑れそうなオープン斜面を発見。
スプレーを上げながら、気持ち良く滑り降りる。



 
しかし、かみさんには少し急すぎるのか、完全なへっぴり腰になって滑っていた。
雪も良いし、怖がるほどの急斜面じゃないと思うけれど、今日は登っている時からビビっていたので、滑る時までそれが影響しているようだ。


ここも楽しそうな斜面だ


先の様子が見えないので、確認しながら滑り降りる。
途中で沢型を越えて、左側の尾根へと移る。

その尾根の更に先が、上に雪庇のできている沢になっていて、沢の中にも大きな段差が所々に見えている。
もしもそちらの沢に入り込んでいたとしたら、結構苦労していたかもしれない。

眺めの良い場所で一休みする。
もしかしたら今日登っていたかもしれない奥手稲山が遠くに見えている。
空は晴れていても、やっぱり雲は多く、こちらに来たのは正解だったようだ。


これから滑り降りる斜面の下に登りのトレースを発見。
休憩を終え、そのトレースめがけて滑り降りる。
この辺まで降りてくるとスキーが底当たりするようになり、新しく積もった雪の下がガリガリの雪面であることが分かる。
それでも、斜度が緩くなった分、かみさんは気持ち良さそうにシュプールを描いていた。


ここで登りのトレースに合流


そして登りのトレースに合流。

これでようやく、山全体の様子を把握することができた。
雪は良かったけれど、先の様子を確かめながら滑っているのでは、楽しさは半減である。

登りのトレースを登り返し、もう1本滑ることも考えたが、かみさんに全くその気は無し。
もっと雪の良い時に再訪することを心に決めて、林間を一気に滑り降りる。

駐車場所まで戻ってくると、最初は私たちの車だけだったのに、平日にもかかわらず5台も増えていた。
手軽に登れて滑りも楽しめる。
やっぱりそんな山は、誰も放っておかないようである。



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