北海道キャンプ場見聞録
労山熊見山(2018/01/17)
お手軽バックカントリー
私の実家に帰る途中に通過する日勝峠。
そこからアクセスできるバックカントリーフィールドは沢山あるのだけれど、昨シーズンは峠が通行止めだったため近づくこともできなかった。
今シーズンはようやく道路が開通し、たまたま実家へ行かなくてはならない用事もあったので、そのついでに下見をしてみるつもりでいた。
できれば条件の良い時に行こうと思っていたので、下見のついでに実家の用を足すと言った方が正しいかもしれない。
そうして、前日に少しだけ雪が降って天気も良くなりそうな日を狙って出かけることにした。
登るのは労山熊見山。
シェルターの入り口横にあった駐車スペースは、そのまま使えるようになっていた。
ただし、そのシェルター自体は取り外されて無くなってしまった。
先客の車が1台。
トレースを見ると二人でスキーで登っているようだ。
その他に、少し雪の被ったスノーシューのトレースも残っていた。
三日前に、日勝峠でスノーボードの男性が骨折し9合目付近からヘリコプターで救出されたとの新聞記事を見ていたのだが、もしかしたらこのトレースがその男性のパーティーのものなのかもしれない。
天気は最高で雪も良い。
雪を被ったダケカンバとアカエゾマツの疎林の中をのんびりと登っていく。
ここは登っていても気持ちの良い山なのである。
登るにしたがって、大きくカーブする国道とその先の日勝ピークの斜面が背後に見えてくる。
40分もしないで樹林帯を抜け、労山熊見山の山頂付近が見えてくる。
先に登っていた2名の姿も、その山頂近くに確認できる。
そこから南側に広がるオープンバーンの下の方は、ブッシュが沢山出ている。
積雪がまだ少ないようだ。
その辺りまで登ってくると木々の枝も真っ白な樹氷に覆われている。
真っ青な空を背景にした真っ白な樹氷の風景は、何度見ても感動する。
尾根の上の吹き溜まりを幾つも超えながら山頂へと向かう。
そうして1時間少々で山頂到着。
少し雲が広がってきていたが、私の実家のある清水町の市街地が眼下にはっきりと見えていた。
先に登頂していた男性二人がまだおしゃべりに余念が無いようなので、私たちが先に滑らせてもらうことにした。
そこから見える日勝ピークの斜面には、何時の間にかトラックが刻まれていた。
私たちも、ノートラックのオープンバーンにトラックを刻ませてもらう。
ただ、下の方はブッシュが出ているので、斜面をトラバース気味に滑ることになる。
せっかくのオープンバーンなのだから、もっと大きな弧を描きたかったところだ。
再び尾根の途中へと出てきて、そこから前回楽しく滑れた西寄りの沢の様子を見に行く。
沢上部のブッシュがまだ埋もれていなかったので、そこを滑るのは諦め東側の沢に向かって滑り降りることにする。
男性二人が、私たちに荒らされる前にとばかりに、気持ち様さそうなシュプールを描きながら私たちを追い抜いていった。
私たちもその後を追って滑っていく。
彼らは車に向かって下りて行ったようで、私たちが滑ろうとしていた斜面はまだ無傷のまま残っていた。
十分に間隔の空いた木々の間を気持ち良くすり抜けながら滑り降りる。
下るにしたがって、雪がやや重たくなってくるが滑るのに支障はない。
先日の三段山や富良野岳では急斜面に苦労させられたが、ここの斜面はそれほど急ではないので安心して滑れるのが良い。
沢にぶつかるところまで滑り降りてから、もう一度シールを張って登り返す。
標高差約100mを15分もかからずに登ってきた。
そこからは、登りのトレースに沿って駐車場まで滑り降りる。
コースを選べば、まだノートラックの斜面も残っている。
車に向かって最後の滑りを心置きなく楽しんだ。
ところどころで流された橋や川の護岸の復旧工事が続く日勝峠だけれど、手軽にアクセスできるバックカントリーも復活して、今シーズンもまた山に出かける回数が増えそうだ。