北海道キャンプ場見聞録
目国内岳(2018/01/07)
深雪パウダー満喫
年が明けて今年最初のカヌークラブ山例会は目国内岳。
昨シーズンだけでも、その周辺の山には4回も入っているお馴染みの山である。
赤井川村からニセコ周辺にかけては、昨日からの雪がたっぷりと積もっていた。
しかし、新見温泉に向かって更に奥に進んでいくと、その辺りはあまり雪が降らなかったようで、木々の枝に乗っている雪の量もやや少なめ。
ちょっとがっかりしながら新見温泉に到着。
去年は新しい経営者が頑張ってくれて営業再開した新見温泉だが、改修工事のために再び休業してしまった。
それでも、温泉までの除雪はやってくれているのがありがたい。
3連休の中日だけあって、午前9時過ぎで既に車は一杯。
早くも登り始めているグループもいる。
今回の参加者は11名。
これだけ大人数のツアーはあまり見かけない。
しかし、今シーズンのクラブの山例会はまだまだ参加者が増えそうだ。
午前9時40分、雪が舞う中を登り始める。
スキー場跡付近から、白樺山へ向かうものと思われるトレースが分岐していた。
私たちが今回目指すのは目国内岳手前の862mポコなので、林道上に続くトレースをそのまま辿っていく。
スノーブリッジを渡る
途中から沢に降りるのだが、林道をそのまま進んでいるトレースもある。
そちらは前目国内岳を目指してるのだろうか。
良い塩梅でパーティーが分散しているようで、これは嬉しかった。
沢を渡るスノーブリッジも、しっかりとしている。
札幌市内の雪は少ないけれど、今年は山の方にはたっぷりと降ってくれているようで良い傾向である。
沢を渡った後は、ダケカンバの森の中を登っていく。
この辺りはあまり雪が降らなかったのかと思ったが、山の中に入ってくるとさすがに雪深い。
トレースには助けられた。
ここをラッセルしながら登るとなると、なかなか大変である。
軽装で登るジュニア
相変わらず雪は降り続き、皆が完全装備で登っている中、ジュニア一人だけが上着を脱いで軽装である。
体が濡れないのかと、こちらの方が心配してしまう。
日が射してきて、真っ白な雪面にダケカンバの影を写す。
青空も覗いてきて、このまま一気に晴れてくるのかと期待する。
しかし、日が射したのはこの一瞬だけであり、最後まで雪は降り続いた。
目標は862mポコと言いながら、誰もそこまで登る気はない。
目の前にノートラックの良い斜面が見えてくると、もう我慢できない。
800m付近でシールをはがし、まずは1本滑ることにする。
何時ものパターンだと、ビデオ撮影係のI山さんが先に滑って、撮影準備が整ったところで、他のメンバーが一人ずつ滑り降りる。
ところが今回は、ビデオなんかどうでも良いとばかりに、F本さん、S藤さん、Y賀が次々に滑り始める。
後の人たちは、そこまでパウダーには飢えてないので、I山さんの準備が整ったころを見計らって、順番に滑っていく。
私も途中まで滑って、そのまま撮影班となる。
雪の深さは申し分ないけれど、ふわふわのパウダースノーとまではいかず、期待したようなスプレーは舞い上がらない。
雪の結晶がそのまま残っているような本当のパウダースノーは、マイナス20度近くまで気温が下がらないと望めないのだろう。
それでもボードのO橋さんは、体が見えなくなるくらいに雪を巻き上げて滑っていた。
標高差で150mほど滑り降りて、そこで昼の休憩をとることにした。
F本さんは、「まだ腹が減ってないから」と言って、そのまま休まずに再び登り始める。
すると、かみさんも、「私もお腹減ってない」とF本さんの後を追う。
休憩している間に1本滑って直ぐに追いついてきたかみさん
登りのペースが遅すぎて、かみさんはストレスが溜まっていたのだろう。
解き放たれた馬のように、斜面を駆け上がっていった。
他の人たちは、ただ呆れるばかりである。
休憩を終え、二人が滑り降りてくるのを待つことなく登り始める。
どうせ直ぐに追いついてくるのだ。
最初に登ってきたトレースをそのまま使う。
滑り降りた150mを20分で登り返す。
先ほど滑った場所の横を滑ろうと思っていたら、そこには既に新しいトラックが付けられていた。
私たちより前に登っていた人ではなく、私たちの後から登ってきたツアーがそこを滑ったようだ。
多分、最初に登っていた人たちは山屋さんなのだろう。
山屋さんは山頂を目指すけれど、私たちは滑ることしか考えていないのだ。
せっかくの斜面が荒らされていたのは残念だけれど、そこを滑ったのは4人くらいなので、まだまだノートラックの斜面は残っている。
間もなくして、かみさんとF本さんも追いついてきて、2本目の滑降。
それぞれが思い思いのコースを滑っていく。
撮影のために途中で止まった時、バランスを崩して尻餅をついてしまう。
尻餅程度でも、雪が深いので一人では起き上がれない。
S藤さんに助けられて、ようやく起き上がることができた。
2本目を滑り終えたところで、O橋さんが「今日は釧路で新年会に出ないとダメなんだけど」と帰りたそうにしていた。
張り切って登り返すY賀さん
そこで最長老のY賀さんが「今日はもう良いな」と一言でも発したら、有無を言わせずに終わりになるのだけれど、なぜか今日はY賀さんからの言葉がない。
どうやら、今シーズン新しく買ったばかりの太板が今日の雪でとても滑りやすかったものだから、まだ帰りたくないみたいだ。
結局、O橋さんも諦めて再び登り返し。
どっちみち新年会には遅刻するのだから、もう1本登り返しても大して変わりはないのである。
今度は登りのトレースから少し離れていたので、最初はラッセルしながら登らなければならない。
最初は先頭でラッセルしたけれど、疲れて直ぐに交代。
体力の衰えを痛感する。
まだまだノートラックの斜面は残っている。
それでも、11人の人間が3回も滑れば、斜面はもうズタズタ。
一番最初に登っていったツアーの人達が、帰りの滑りを期待して山を下りてきたとしたら、その惨状を目にして唖然とするかもしれない。
そんなことは全く気にせず、私たちは最後の滑りを楽しんだ。
パウダースノーを目一杯楽しんだ目国内岳ツアーとなったのである。