フウマの介護などで一度もスキーに出かけられずにいた今冬のシーズン、フウマ亡き後の3月最後の日曜日、天気も良さそうなので今シーズン初の山スキーにニセコへ出かけることにした。
ニセコに近づくにしたがって、真っ青な空を背景に羊蹄山やアンヌプリの白い姿が目の前に迫ってきて、何時ものことながらその圧倒的な風景に魅入られてしまう。
この天気に誘われてか、リフトが動き出す9時前から、チセヌプリスキー場の駐車場には既に沢山の車が集まっていた。
1回券を購入してリフトに乗り込む。
数日前に新たに雪が積もったようで、まだ純白の雪景色が広がっている。
濃密な青色に染まった空と、その雪景色の織り成すコントラストが、ため息が漏れるほどに美しい。
リフトを降りると殆どのスキーヤーはチセヌプリに向かって登っていくが、私達が今回目指すのはチセヌプリの東のシャクナゲ岳である。
シーズン初めてということもあって、気軽に登れそうな山を選んだのだ。
そのシャクナゲ岳やビーナスの丘などが、たわやかな起伏を描いて遠くに見えている。
スキー板にシールを貼って登り始めた。
毎朝のウォーキングの成果が現れているのか、以前は直ぐに息切れしていたのが、そんなことも無く歩き続けれるようになった気がする。
間近に迫るチセヌプリを右に見ながらシャクナゲ岳との間のコルに向かう。
付近には1本の木も生えていなくて、大きな白いうねりの中に人間の姿が黒いゴマ粒のようにポツンと見えている。
コルから続くやや急な斜面を登りきると、いよいよシャクナゲ岳が目前に迫ってきた。
先行するグループは、ビーナスの丘の右側に見える無名峰へ登っていくようだ。私達はそのトレースを外れて、ビーナスの丘の左を通って真っ直ぐにシャクナゲ岳に向かう。
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