北海道キャンプ場見聞録
我が家のファミリー通信 No.86-3
奈良旅三日目(室生寺・長谷寺)
奈良旅三日目は郊外まで足を延ばし、女人高野と親しまれる室生寺や花の御寺として知られる長谷寺を観光する。
奈良駅午前8時発の電車に乗り込む。
コロナのこともあり通勤時間帯の電車に乗るのは嫌だったけれど、意外なほど空いていてホッとする。
途中で乗り換えた近鉄の電車も空いていて、室生口大野駅に到着。
桜咲く室生口大野駅に到着
そこからバスで室生寺に向かうのだけれど、バスは1時間に1本しか無い。
東海自然歩道を歩いて行くこともできるが、7キロもある。
今日は長谷寺観光も予定しているので、素直にバスに乗ることにした。
バスが来るまで少し時間が有ったので、近くの大野寺まで歩いていく。
ここは枝垂桜で有名な寺である。
外からでも大野寺境内の桜が見える
小さな寺なので、塀の外からでも境内の様子が大体は見える。
400円を払って中に入らなくても枝垂桜の写真は撮れそうだ。
中に入るかどうかは帰りの電車の時間を見て考えることにして、丁度やって来た室生寺行のバスに乗り込んだ。
大野寺はそこから眺めるだけで済ませる
室生寺からの帰りのバスも1時間に1本。
事前に調べてあった室生寺での観光に要する時間は、奥の院まで行ったとして1時間15分~30分だった。
でもそれは多分ゆっくりと見て回った場合の時間だろうから、私達なら1時間以内で回れるはずだ。
1時間後のバスに乗って帰るつもりで、バスを降りて急ぎ足で室生寺へと向かった。
バスを降りて室生寺へと急ぐ
室生川に架かる太鼓橋を渡ると、室生寺の境内だ。
ここでも桜が出迎えてくれる。
太鼓橋を渡る
室生寺はそんなに大きなお寺ではないけれど、本堂に金堂、五重塔が国宝に、その他の建物も重文に指定されている歴史のある寺である。
そんな伽藍が奥深い山の中に静かに佇んでいる。
昨日まで回っていたお寺とは全く違う雰囲気である。
この鎧坂を登った先で国宝の金堂が待っている
特に五重塔が美しかった。
高さ16.1mと、屋外に建つ五重塔の中では最小らしいが、それがかえって森の風景にピタリと収まっているのだ。
森の中にたたずむ五重塔
この五重塔までもかなりの段数の階段を登ってきたが、奥の院は更に急な階段を登った先にある。
時間を節約するために、その急な階段を1段飛ばしで駆け上がる。
奥の院への急な階段が続く
するとその先に、ジャングルジムの様に組み上げた柱で支えられているお堂が見えてきた。
懸造りと呼ばれる構造で、まるで清水寺の舞台のようだ。
建物を支える木組みに驚かされる
奥の院到着。
ここまで標高差にして100m程を登ってきたが、木立の間から下界の風景がチラリと見えるくらいで、眺めはパッとしない。
まあ、登山ではないのだからと自分を慰め、奥の院にお参りして下山開始。
急いで登ってきたので、下りはのんびりと歩こうと思っていたが、階段を下りようとした途端に太ももの筋肉が攣りそうになった。
登りで少し頑張り過ぎたようだ。
足が攣りそうになりながら階段を下りる
苔生した杉の巨木。
森の中で控えめに花を咲かせる桜。
その桜の花に彩られるお堂。
そんな風景を楽しみながら1時間もかからずに室生寺の参拝を終えた。
美しい境内の風景
時間に余裕ができたので、ここに着いた時に気になっていた「よもぎ入り回転焼き」なるものを購入。
それを食べながらバス停へと戻る。
何故回転焼きなのかは分からないが、ヨモギの味も効いてなかなか美味しいお焼きだった。
回転焼きを買う余裕があって良かった
バスで戻ると丁度良い時間の電車に乗れそうだったので、大野寺はパスすることにした。
大野寺では枝垂桜の他に摩崖仏も見られる。
1日で室生寺と長谷寺の2か所を回るのはやっぱり厳しかったかなと思いながら、次の長谷寺へと向かった。
午前11時20分、桜の花に囲まれた長谷寺駅に到着。
駅は高い場所にあるので、駅前広場を出ると直ぐに急な坂道を下っていく。
初瀬の町に住んでいるお年寄りは、電車に乗るのも大変だろう。
長谷寺駅の駅前広場、ここから階段を降りていく
昼食は予め調べておいた長谷路という店に入る。
数寄屋門風の入り口を入るといきなり純和風の庭園が広がっていて、何処に店があるのか戸惑ってしまう。
店も古民家をそのまま利用したような造りで風情がある。
柿の葉すしの付いたにゅうめんと蕎麦を食べたけれど、味の方は特に美味しい訳ではなかった。
古民家を利用した長谷路の店内
店を出るとポツポツと雨が降り始めた。
今回の旅では折り畳み傘を忘れたのが痛かった。
しょうがないので奈良に着いてから普通の傘を買ったのだけれど、今日は雨が降るような予報でもなかったので、その傘は持って来ていなかったのだ。
この状態で30分雨宿り
直ぐに雨の降りは強くなり、堪らずに閉まっている店の軒先に避難。
結局、雨が止むまでそこで30分雨宿りすることとなった。
長谷寺は花の御寺として知られ、昨日のローカルニュースでも桜が満開と報じられていた。
そのせいもあるのか、これまで見てきた世界遺産の寺では人影も疎らだったのに、長谷寺は結構賑わっていた。
長谷寺入り口で咲く枝垂桜
桜に彩られた境内はとても風情がある。
7000株の牡丹も有名らしいが、牡丹の花が咲くのは4月下旬頃から。
登廊の両側に植えられている牡丹が一斉に花を咲かせたら見事な風景を楽しめることだろう。
桜が美しい境内
長谷寺の本堂は高い場所にあるので、そこから眺める桜の風景も素晴らしかった。
桜の花の海の中美しい五重塔が見えていたので、今度はそちらにも行っている。
桜の海の中の五重塔
傾斜地に広がる境内なので、場所によって風景ががらりと変わる。
桜のビュースポットを探しながら境内の散歩を楽しむ。
長谷寺の桜の風景
長谷寺の桜の風景
午後3時頃に奈良駅まで戻ってきた。
駅の中にスーパーがあるので、そこで買い物を済ませて宿へと帰る。
時間が早かったので、近くのコインランドリーで洗濯をする。
もう完全に奈良市民になった気分である。