北海道キャンプ場見聞録
九州の旅(溝ノ口洞窟・霧島神宮)
霧島温泉旅の湯プチハウス(4月4日~5日)
暖かな朝を迎えた。
起きた時には雨も降っていなかったけれど、暫くして本格的な雨が降り始めた。
雨は嫌だけれど、これくらいは降ってくれないとバンガローに泊まった意味がないのである。
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この後雨が降り出した鹿児島県県民の森丹生附オートキャンプ場
8時半過ぎに鹿児島県県民の森丹生附オートキャンプ場を出発。
この日の最初の目的地である溝ノ口洞窟へと向かっている途中、鹿児島空港の横を通りかかる。
西郷公園の看板を見つけたので寄り道。
ここにある西郷隆盛の銅像は人物像としては日本一の大きさだとか。
鹿児島では、とりあえず西郷隆盛の銅像さえ立てておけば観光地として成立するのかなと思いながら、写真だけ撮ってそこを後にした。
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西郷どんと一緒にカメラに収まるのはこの度何回目だろう
車のすれ違いも難しい細い道を暫く走った先に溝ノ口洞穴がある。
ちなみに、こちらの道路では「離合困難」と書かれた標識を時々見かける。
最初は何の意味か分からなかったけれど、離合とは車同士がすれ違うことを意味するらしい。
辞書にも載っている言葉だけれど、調べてみると主に使われるのは九州、四国に中国の一部で、東北北海道では殆ど使われないらしい。
通りで聞いたことの無い言葉だったわけである。
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鳥居の先で洞窟が口を開けて待っていた
霧島山系の湧き水が侵食し、数千年の長い年月をかけて作られたといわれるこの洞穴、近年パワースポットとして人気が出てきているとのこと。
入り口はかなりの大きさだけれど、奥の方は真っ暗である。
私は急いで車にヘッドランプを取りに戻る。
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洞窟探検中のかみさん
そうして戻ってきたらかみさんの姿が見当たらない。
暗闇の中に吸い込まれてしまったのかと心配して探していたら、洞窟の奥から懐中電灯を照らしながらかみさんが現れた。
何のことは無い、入り口には観光客用に懐中電灯が備え付けられていたのだ。
探検隊の調査では洞窟の奥行きは200m以上あるらしいが、実際にはそんなに奥までは入れない。
洞窟の天井を照らすと私の大嫌いなゲジが沢山張り付いていてゾッとした。
暗い洞窟の中から外の世界を見ると、緑の中に赤い鳥居がポツンと立っていて、いかにもパワースポットらしい風景だ。
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赤い鳥居が洞窟の外に見える風景を引き締めている
溝ノ口洞穴を出た後は、本当のパワースポットである霧島神宮へと向かう。
雨は次第に激しさを増して降り続いていた。
途中で美味しそうな蕎麦屋(がまこう庵)を見つけ、時間はまだ早かったけれど、そこで昼食にすることにした。
何せ、今日は日曜日なので油断していると何処の店も満員になってしまう恐れがあるのだ。
美味しい蕎麦に満足して午前11時半に店を出る頃には、既に入店を待つ人の行列ができていたのである。
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がまこう庵で食べたかけ蕎麦と長寿蕎麦
霧島神宮についても雨脚はまだ弱まっていなかった。
おかげで境内が雨に煙り、パワースポットらしい神秘さを増していた。
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霧にけぶる霧島神宮
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境内の杉林も霧に包まれる
御神木の杉も上の方が霞んでしまっている。
参拝を済ませ最後に展望所からの風景を楽しもうとしたが、こちらは真っ白で何も見えなかった。
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御神木の杉の巨木、上の方は霞んで見えない
雨も止んできたので、霧島神宮を出たところにある神水峡の遊歩道を歩いてみることにした。
立派な駐車場があったけれど、国道からの入り口は設計ミスじゃないかと思えるくらいに入りづらく、看板も無いので入り口そのものの場所も分かりづらい。
無理して見に行くほどのこともないなと言うのが正直な印象だった。
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この程度の渓谷ならば何処でも見られそうだ
霧島温泉に向かう国道は霧島バードラインとの名前が付けられ、眺めも良さそうだ。
しかし、雨は上がったものの雲が低く垂れ込めて、周りの風景が何も見えない。
神話の里公園に寄り道して風の見える丘まで登ってみたけれど、見えるのは雲だけだった。
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神話の里公園、ツツジの花は美しかったけれど
霧島温泉郷に近づくと、山の中のあちこちから湯煙が上る風景が目に飛び込んできた。
別府の町で見た湯煙を思い出す。
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湯けむりの立ち昇る霧島温泉郷
霧島温泉郷手前にある丸尾滝は、雨で水量も増えているのか、迫力があってなかなか見応えがあった。
ただ、この滝は温泉水が流れ落ちるので湯気も上がっているらしいが、雨で温度が下がって湯気は出ていなかったのである。
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温泉水の流れる丸尾滝だが・・・
この日の宿泊は、霧島温泉旅の湯(旧野々湯温泉)。
チェックイン時間の午後3時までまだ時間があるので、少しドライブをしてみる。
道路沿いのあちらこちらから、激しく水蒸気が立ち上っていて、火山の真上にある温泉郷なのかと思えてしまう。
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霧島温泉郷は何処からでも噴気が上がっていた
丸尾滝の直ぐ上流の千畳敷と呼ばれる場所も見に行く。
平らな岩盤の上を川の水が流れている。
川の水に手を入れてみたけれど、全然温かくはない。
やっぱり雨のおかげで温泉水も冷えてしまったようだ。
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この直ぐ先で丸尾滝となって流れ落ちる千畳敷
今日の宿は、霧島温泉郷から更に山の奥に入っていくので、どんな道なのか心配していたが、それ程の山道でもなく、無事に到着。
途中には茶畑も広がり、霧島はお茶の産地でもあるのだ。
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年間を通じたれ冷涼な環境の中で育つ霧島茶は滋味豊かで香り高いことで知られているらしい
私の持っていたキャンプ場ガイドブックには、ここは野々湯温泉の名で載っていてプチハウスに比較的安く泊まれると思っていた。
しかし、経営者が変ったのか、名前とともに料金も少し高くなってしまった。
今回の旅ではあまりケチケチしないで、たまには贅沢して温泉旅館にも泊まろうと思っていたので、この日の宿泊にそれを適用。
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赤い色が可愛い霧島温泉旅の湯のプチハウス
この日も天気が悪そうなので、前日に予約を入れ、プチハウス宿泊の2食付コースで泊まることにしたのだ。
それでも料金は1人1万円なのでこれで贅沢とは言えそうにない。
このプチハウスだが、リビング、キッチン、寝室、トイレの間取りで自炊できるだけの備品類も整っている。
普通の旅館でこれだけの部屋に泊まるとしたら、最上級のスイートルームくらいになりそうだ。
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部屋は広くて快適
温泉までちょっと離れているのが難と言えば難だが、キャンプ場のバンガローに泊まって場内の温泉に入りに行くのと変りはない。
温泉も、さすが霧島の温泉だと感心してしまう。
浴槽の横の岩の間からシューシューと蒸気が噴出しているのだ。
勿論、源泉かけ流し。
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お風呂も良かった
夕食は囲炉裏でのバーベキュー。
佐賀県産の黒毛和牛に鹿児島黒豚、宮崎地鶏などなど、お腹一杯。
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少食の二人では食べ切れない量の夕食
満腹になってプチハウスへと戻る。
いつの間にか辺りは霧に包まれていた。
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プチハウスとお風呂がもう少し近ければもっと良かったのだが
そしてまたお風呂へ。
今回の旅で初めての温泉泊を、思う存分楽しむのであった。