北海道キャンプ場見聞録
千歳川(2024/04/21)
太陽の日差しがありがたい
十勝に引っ越してから、カヌークラブの千歳川4月例会には出られていないので、今年は無理をしてでも参加しようと思っていた。
当日は気温も低く風も強そうだったけれど、気合を入れて高速道路で千歳へと向かう。
後で分かったのだけれど、カヌークラブの恒例である4月の千歳川例会に参加するのは6年ぶりだった。
退職後はこの季節に道外へ出かけることが多くなっていたので、すっかりご無沙汰していたのだ。
いつもの感覚ではこれでも人数少なめ
記録を見ると6年前の千歳川例会参加者は44名。
それが今年は、天気がパッとしないこともあり、23名の参加にとどまる。
それでも十分に大人数と言えるが、過去の賑わいを知っているので何となく寂しさを感じてしまう。
これから出艇
ほとんどの参加者は半年ぶりに顔を合わすことになるので、スタートして直ぐのエディの中では久しぶりの再開に話が弾む。
何気なくカメラを向けた写真には皆の笑顔が写っていた。
川の上で新年?のご挨拶
この日の水位は30.32mとかなり多めで、その分流れも早い。
シーズン最初の川下りでパドリングの練習をするのには丁度良いが、流れを塞ぐような倒木も増えていて、結構緊張させられる。
新たに発生した倒木というよりも、これまで川の方に傾いていた樹木が更に傾きを増してきている感じだ。
倒木というよりも傾斜木
時々強風が川の上を吹き抜けていくので、そんな時はカヌーを全くコントロールできなくなる。
そのまま樹木に引っかかって藻掻いている最中に、360度カメラに取り付けてあった自撮り棒を曲げてしまう。
以前にも空知川でこの自撮り棒を折ってしまったことがあり、折角買い替えた自撮り棒がまたしても破損。
このトラブルは私にとって結構ショックな出来事だった。
スタート時の気温は7度くらいで寒さで震えていたけれど、次第に青空が広がってきて春の日差しが降り注ぐようになる。
そんな日差しに包まれると、気温以上に暖かく感じてしまう。
青空が広がってきた
マナブまで下ってきた。
そこの入口に斜めに傾いた樹木が有るけれど、この樹木も以前より傾きが大きくなっているようだ。
その辺りでスラロームの練習をするのだけれど、この樹木が邪魔をしてエディに入りづらくなってしまった。
マナブ入口の傾斜木
皆はマナブで時間を過ごしていたけれど、私はいつの間にか風に流されてしまい、流れを遡るのも面倒なのでそのまま先に下ることにした。
国道に架かる烏柵舞橋を過ぎて小さな沢が流れ込んでいる場所まで下っていくと、一人で先に下っていったマリオさんが所在なさげに待っていてくれた。
そこにも巨大な樹木が川に向かって倒れ込んでいるが、この樹木は以前と同じ傾きを保っている。
そのうちにこの樹木も倒れる時がくるかも知れないが、その時には川は完全に塞がれてしまうだろう。
巨大な傾斜木
そのうちに他のメンバーも追い付いてきたので、先にへ進むことにする。
その先の魚道では、転勤で札幌に戻ってきたD地君が川の中に飛び込んで、体一つで魚道を流されてきた。
若者は元気があって良い。
年々高齢化が進むクラブの中では貴重な存在である。
魚道、D地君が川に飛び込んで水しぶきが上がる
その先でショッキングな風景を目にした。
太陽光発電のパネルが、川の横にずらりと並び、それが川の上から丸見えになっているのである。
私達がカヌーで下っている千歳川の流域は人の生活圏の中に入っているので、人工物も多く目にする。
しかし、川からの景観をここまで破壊している人工物は他には無いだろう。
太陽光発電は環境に優しいなどと言われているが、再生可能エネルギーの中で環境を破壊している割合では、太陽光発電が群を抜いていると私は思っている。
気になって過去の航空写真を調べてみると、この場所は少なくとも2018年までは森に覆われていたのである。
その後徐々に森が切り払われていたが、パネルの設置が始まっても川岸の樹木は残されていた。
しかし、太陽光発電にとって樹蔭を作る樹木は邪魔者でしか無い。
とうとう河畔林はすべて切り倒されてしまったのである。
この光景にはガッカリさせられた
沈んだ気持ちのまま内別川まで下ってきて、そこで昼の休憩となる。
スタート時には、気温が低いので休憩を取らずにそのまま下ってしまうかもしれないと言われていたが、太陽の日差しのおかげで予定通りここで昼食を食べる。
カヌーがコントロールできないくらいに強かった風も、ここでは風も遮られてのんびりとクリームパンを頬張った。
内別川を漕ぎ上がって昼の休憩
休憩を終えて再び下り始めるが、相変わらず倒木が多い。
簡単に通過できるだろうと思いながら近づいていくと、通り抜けられる場所は意外と狭く、ちょっと焦ってしまう。
突き出た折れ枝に突き刺さりそうになりながら、何とか無事にクリア。
流れも結構早くてヒヤリとさせられた傾斜木
蛇籠の瀬では写真でも撮ろうかと思っていたが、入れそうなエディが無いのでそのまま下るしか無い。
蛇籠の瀬は自撮りしただけ
今日は高速道路の下がゴールになっていたので、蛇籠を過ぎると川下りは直ぐに終わってしまう。
これまではスポーツセンターまで下っていたのだが、この時期は何時もイベントが行われていて駐車場も混雑するので、昨年から高速道路下をゴールにしたらしい。
蛇籠の瀬を下ってホッとしたら直ぐにゴールだ
何時もならば蛇籠の瀬を下り終えた後は川沿いの住宅を眺めながら、ここまでの川下りの余韻を楽しみながらスポーツセンターまでのんびりと流されていくところだ。
今回はその余韻を楽しめなかったのが残念だったが、シーズン初カヌーを楽しみ、満足しながら清水まで車を走らせた。
(当日12:00千歳川水位 サケマス孵化場:30.32m)