北海道キャンプ場見聞録
尻別川ラフトコース(2022/07/09)
ソロ練習の川下り
札幌を出る時は素晴らしい青空が広がっていたのに、倶知安に向かうに従って次第に雲が広がってくる。
今日の倶知安の天気予報は曇りなので覚悟はしていたけれど、羊蹄山の山頂が雲に隠れていたのはガッカリだった。
それでも、青空も少し見えていて、田園風景の中に聳える羊蹄山はやっぱり格好良い。
雲がかかっているけれど羊蹄山はやっぱり格好良い
待ち合わせの時間にはまだ早かったので、畑の中の道を走りながら羊蹄山の写真を撮る。
今の季節はジャガイモが花を咲かせているので、何時も以上に美しい風景を楽しめるのだ。
赤い小屋が絵になっている
今日は熊五郎さんご夫婦を誘っての尻別川のダウンリバーである。
一週間前に今シーズン初めての川下りで歴舟川を下ったのだけれど、ブランクが長かった分、まだ少し不安がある。
そんな時に尻別川のラフトコースは、適度に岩や瀬があって、良い練習になるのだ。
スタート地点はラフトで大賑わい
天気予報を見ながら川下りを決めたのは2日前。
最近はクラブの掲示板に書き込んでも反応が悪いので、付き合ってくれそうな方に直接連絡したけれど、現役の方に土曜日で、しかもその2日前に突然連絡しても、付き合ってくれる方は簡単に見つからない。
そこで、現役を退いている熊五郎さんを誘ったところ、嬉しいことに直ぐに飛びついてくれたのである。
熊五郎さんご夫婦と一緒に
今日は岩の後ろの小さなエディに素早く入る練習をするつもりでいた。
かみさんとのタンデムでそれをやろうと思っても、面倒くさがられることが多いので、ソロの時ならば思う存分チャレンジできるのだ。
それに、かみさんがカヌーに乗るのを渋るようになってきたので、これからソロで川を下り続けるのならば、これくらいのテクニックは身に付けておかなくてはならないのだ。
入れそうなエディを見つけたら片っ端から入ってみる
熊五郎さん夫婦は千歳川をホームグランドにしていて毎週のように漕いでいるけれど、それ以外の川はもう1年以上下っていないという。
奥さんのひろやんも「瀬を下るのは久しぶりだから」と不安そうにしていたけれど、見ていてもそんな不安は全く感じさせないパドリングである。
余裕のひろやん
熊五郎さんは、最近は小さなOC-1ばかり乗っているのに、今回は尻別川だからと大きなカナディアンを持ってきていた。
ひろやんは心配ないけれど、熊五郎さんの方は心配である。
今日は水も少なめなので、岩に引っかかって岩沈しそうな気がするのだ。
それでも、引っかかりながらも、落ち着いて下っている。
今シーズンは間違いなく私より沢山川に出ているので、それも当然だろう。
落ち着いた熊五郎さん
私は、岩の後ろのエディに入ってご夫婦の写真を撮ろうとするが、ピタリと入れなくてズルズルと下流に流されてしまう。
それでは良い写真も撮れない。
タンデムで息を合わせた時の方が、もっとピタリと決まっていたような気がする。
大きなカナディアンを操るのは多分タンデムの方が有利なのだろうけれど、もう少しソロでの練習が必要なようだ。
右側の岩の後ろに入ろうとするが、バウの突っ込みが足りなくて失敗
お昼が近づいてきたので昼食の場所を探すが、何時もの川原は水没していた。
水没というか、水が少ないので川原そのものが無くなってしまったようだ。
新しく護岸されたところの下流左岸側に小さな川原があったのでそこに上陸。
その手前に面白い瀬があったのに、すっかり潰れてしまっている。
この付近、護岸工事で面白くない流れに変えられてしまった
ここでひろやんが、豆を挽いてコーヒーを入れてくれる。
川を下っている途中でこんな美味しいコーヒーを飲めるとは感激である。
しかも、豆を挽くところから始めるなんて、まるで商業ツアーのお客さんになった気分である。
仲睦まじい絵
昼食を終えて再び下り始める。
ちょっとした瀬を過ぎると、その先で二股の瀬(カッパの瀬)が待ち構えている。
1年ぶりに下るので、手前で上陸して様子をうかがう。
瀬の様子が随分と変っている気がして驚いた。
左岸側の砂岩の岸が次第に削られているのだろう。
今までは本流が右岸に向かっていて、左岸側が大きなエディになっていたのだけれど、今はその本流が川の真ん中を真っ直ぐに流れている。
もしもここで沈したら、岸に上がれないまま、その下流にある瀬まで一気に流されてしまう恐れがある。
流れが真っ直ぐに変わった二股の瀬
少人数での川下りでは余計なリスクは少しでも減らしたいので、私が先に歩いていってロープを構えることにした。
最初に下ってきたのは熊五郎さん。
直ぐ近くで写真を撮りたかったけれど、こちらはレスキュー重視でロープを投げやすい場所でカメラを構える。
左から回り込む熊五郎さん
次はひろやん。
全く危なげなく、余裕の笑顔で下っていた。
余裕のひろやん
次は私の番。
何時もは左から回り込むように瀬に入るのだけれど、今回は右岸側から下ってみることにする。
波が少し大きいので、もしもかみさんと一緒だったら「絶対に嫌だ」と言われるところだけれど、ソロだと自分の好きなコースを下ることができる。
そしてそこを上手く下れたら喜びも大きいのだ。
波の一番大きな場所を下れたのが嬉しかった
その先は少し瀬はあるものの、のんびりと下っていける。
羊蹄山のビュースポットでは、雲に隠れてその姿は全く見えなかったけれど、それも大して気にならない。
川を流されているだけで十分に楽しいのである。
ここで羊蹄山が見えるはずだけれど
カヌーに驚いたヤマセミが、下流の方に飛んでいって、土壁の樹木にとまるのが見えた。
少しでも近くから写真を撮ろうと、音を立てないように土壁まで下っていくがやっぱり気付かれてしまう。
本当に用心深い鳥である。
幾筋もの水流が流れ落ちる土壁、何度見ても美しい
熊五郎さんは、ゴールするのが勿体無いと漕ぐのをやめて、川の流れに舟をまかせる。
こうして、楽しい川下りを終えたのだが、膝当てを忘れたので、ようやく治りかけていた膝の擦りむき傷が、また悪化してしまった。
4週間も傷が治らないなんて、これもやっぱり歳のせいなのかな。
(当日12:00尻別川水位 倶知安観測所:167.26m)