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尻別川喜茂別コース(2021/07/10)

様々な舟が浮かぶ尻別川

カヌークラブの7月例会初日は尻別川の喜茂別コースを下る。
当初の予定では喜茂別町鈴川の堺橋からスタートすることになっていた。
ここから下ると尻別岳の眺めを楽しめて私の好きなコースなのだけれど、2015年を最後にこの区間を下っていない。

例会としては何度も企画されるのだが、大体は「水が少ない」との理由で、かなり下流の喜茂別町民公園裏からのスタートに変更されるのである。
私には十分に下れるだけの水量は有るように見えるのだけれど、要はカヤック組が瀬のない区間を下りたくないだけの話なのである。

今回は最初からこの区間を敬遠したのか、カヤック組の参加も少なかったので久しぶりにこの区間を下れそうだと楽しみにしていた。
ところが今回も、ツアーリーダーから「イタドリが茂って川へ降りる道がなく駐車スペースも狭いので、町民公園裏からのスタートにします」とのお言葉が。


町民公園裏からのスタートとなる


私は、川を下るのに藪こぎくらいは当然だと思っているのだけれど、例会ともなるとそうはいかないのだろう。
ツアーリーダーの言うことは絶対なので、素直にその変更に従う。
今回のキャンプ地は羊蹄山自然公園真狩野営場なのだけれど、大混雑必至なので、川下りを早めに切り上げてキャンプ場入りしたいというのが本当の理由だったようだ。

喜茂別町民公園の裏は、大きな淵になっていて、川下りのスタート地点としては理想的な場所である。
ただ、ここではもう尻別岳に近づき過ぎているので、山の姿は全然見えなくなっているのである。


川原前の流れは緩やかなのでウォーミングアップしてから下り始められる


今日の参加者の舟は、SUPが3艇、ダッキーが2艇、カナディアンが3艇、OC-1が1艇とカヤック4艇。
レスキューのことを考えるとカヤックが少ないけれど、今日のレベルの川ならばこれでも全く問題はない。
舟の種類、各々のスキルも関係なく、皆で助け合いながら誰でも楽しく川を下ることができる。
クラブの例会としてはこれが理想的な形だろう。


川下りスタート


今日はのんびり気ままに下るつもりでいたけれど、ツアーリーダーのりょうさんから「ヒデさんは写真を撮るから先頭で下ってください」と指名されてしまった。
そうなると、気ままにも下っていられない。
かみさんは他の舟と接近して下るのが苦手なので、先頭で下るのが嬉しそうである。
後ろを気にせずに、どんどん漕ぎ進んでいくので、何度も途中で止めなければならなかった。


穏やかな川を下る時だけ連れて来てもらえるだいちゃん


喜茂別観測所の水位だけを見れば、今回は過去最低の水位である。
それでも、座礁することもなく、楽しく瀬を下ることができる。
夏の渇水期でも楽しく下れるのが尻別川の良いところである。


バウを漕がされるPOSさん


Hさかさん夫婦はSUPタンデムで下るつもりでいたのが、結局は奥さんがSUPに乗って旦那はちゃっかりとPOSさんのカナディアンに乗り込んでいた。
SUPに乗る奥様を初めて見たけれど、なかなか上手である。


SUPを乗りこなすチー様


そして旦那がSUPに乗る時は、POSさんは今度は奥さんを乗せなければならない。
良いように使われているPOSさんだった。



今度は奥様を乗せるPOSさん




色々な舟が混ざり合って下っていく


久しぶりに例会参加のIくらさんは、届いたばかりの新艇SUPでの参加。
特注のハードボードらしいけれど、車に積んでいる姿はシットオンカヤックに見えてしまう。


届いたばかりのIくらさんのSUP


Nもとさんが早速、Iくらさんの新艇に試乗させてもらっている。
再びPOSさんのカナディアンに乗り込んでいたHさかさんが、それを見て「俺も乗りたい」と言い始めた。


IくさんのSUPに試乗しているNもとさんが狙われる


危険を感じて逃げ出したNもとさんだったけれど、しつこく追いかけたHさかさんに強引に乗り込まれてしまう。
追い出されたNもとさんは、POSさんのカナディアンに。


SUPを奪われたNもとさんはPOSさんのさんの舟に


そんな感じで遊びながら下っていく。
と言うか、遊んでいるのはHさかさん一人だけである。

今度は、POSさんのカナディアンに後ろ向きで乗り込み、お見合い状態になって下っていた。
完全に尻別川を舐めきっているようだ。
これで川の神様を怒らせてしまったようで、後で痛いお仕置きを受けることとなるのである。


向い合せでカヌーに乗るPOSさんとHさかさん




この区間では瀬はあまり無かった気がしたけれど、退屈しない程度に瀬が現れる。


借りたSUPで瀬を下るNもとさん


道道の留産橋を過ぎると、後ろに喜茂別岳の姿が見えていた。
上流部で見える姿とは全然違っているけれど、これはこれで美しい風景だ。

ただ、山頂部分は雲に隠れてしまっている。
この区間には羊蹄山のビューポイントも有るのだけれど、羊蹄山の方は完全に雲の中で麓の方が僅かに見えているだけである。


尻別岳が後ろに見える


国道の留産橋を過ぎて暫く下ると、その後は単調な流れとなる。
このままゴールの堰堤までそんな流れが続くのかと思っていたら、堰堤の手前に岩の絡んだ瀬が待ち受けていた。


暫くのんびりと下っていく


先に瀬を下ったりょうさんが、ストップサインを出していた。
しかし、そのサインの意味がわからない。
何か危険な場所があるのかも知れないけれど、りょうさんはその瀬を無事に下っているのである。
岩が多くて座礁しそうだったけれど、下れるルートが見えたのでそのまま下ってしまう。


ゴール手前の瀬、下るルートは見えている


どうやら、先に下っていたPOS・Hさか艇がここで沈をして、パドルを流してしまったようだ。
そしてPOSさんのパドルが瀬の途中に引っかかっていた。
水が少なかったので、POSさんは瀬の中を歩いていって自分のパドルを回収。


このパドルは簡単に回収できた


Hさかさんのダブルパドルも見つからなかったが、それも近くの木に引っかかっていたのが発見され、事なきを得た。
これが川の神様のお仕置きだったのだが、何も悪いことをしていないPOSさんにはお気の毒としか言いようがない。
そうして無事にゴールの堰堤に到着し、例会は終了。


堰堤の手前で上陸してこれで終わりかと思ったら


と思ったら、そこで最後のトラブルが発生。
りょうさんが、車のエンジンをかけたままドアロックしてしまったのである。
皆で色々と試みるが、とうとう諦めてりょうさんはJAFに電話を入れた。


色々とチャレンジするが埒が明かない


それでも、助手席側ではIくらさんが針金ハンガーを窓ガラスの上から差し込んで、窓の開閉ボタンを操作しようとし、運転席側ではSださんが近くの農家から借りてきたサシガネをドアの隙間に差し込んで解錠を試みる。
そして、奇跡が起こった。
運転席側のドアが解錠されると、それと全く同時に助手席側の窓も開いたのだ。

色々な特技を持ち合わせた人がいて、何事にも心強いクラブだと、改めて感心したのである。
 

(当日12:00水位 喜茂別下流観測所:252.49m)



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