北海道キャンプ場見聞録
空知川(2021/06/27)
例会初参加
緊急事態宣言は解除されたけれど、違いが良く分からないまん延防止措置とかに切り替わっただけ。
6月の例会はどうなるのだろうと心配していたら、キャンプはしないで日曜日の空知川日帰りで開催されることになった。
例年ならばシーソラプチ川と空知川のセットで開催されるところである。
それでも、土曜日にシーソラプチ川を下りそのままキャンプをする人達もいるのだろう。
そんな川下りはコロナ禍もあり、仲間内でこっそりと連絡を取り合って行われているようなので、蚊帳の外の私は知る由もない。
正式にアナウンスされる例回くらいにしか参加できないのである。
4月例回は九州旅行中で不参加、5月例回はコロナで中止、私は今シーズン初めての例会参加となる。
スタートは前日からの参加者がキャンプをしていた落庵の裏から。
この辺りは、川で言えばまだシーソラプチ川である。
水の透明度、そしてエメラルドグリーンに染まる淵、その美しさは北海道の川の中でも群を抜いている。
今日は天気も良いのでその美しさも更に際立っていた。
いきなりの美しい風景だ
落庵裏からスタートすると、いきなり王子橋の90度カーブが待ち構えている。
ここは、下るルートによってはカヌーの底を岩にぶつけるので、あまり好きではない場所なのだが、その衝撃もなく無事に下り抜けた。
水の量もそこそこは有るようだ。
王子橋下の90度カーブを下る急造タンデム艇
今日はソロなので、のんびり気ままに下っていく。
国体コースのスタート地点まで下ってくると、川岸の砂地にクロアゲハとエゾシロチョウが集まっていた。
もっと沢山のクロアゲハが集まっていたけれど、近づくと逃げてしまった
川を下っていると時々目にする蝶の吸水行動だが、見かけるのは大体がクロアゲハである。
2種類の蝶が集まっているのは初めて目にしたけれど、一応は同じ種類同士で集まるようだ。
ここから国体コースへと向かう
国体コースの三段の瀬では、早めに下ってカメラを構える。
前回の尻別川で一緒に下ったなつきちゃんが今回も参加していた。
カヤックを始めたばかりで早くも国体コースへのチャレンジである。
レスキュー態勢は万全
三段の瀬では沈したまま流されてきたけれど、それが余程悔しかったらしく、カヤックを引っ張って上流に戻り再チャレンジ。
2回めも、もう少しのところで沈してしまったけれど、三段の瀬で再チャレンジする人を初めて見た気がする。
なつきちゃんの上達が早いのは、このハートの強さが有るからなのだろう。
再チャレンジも沈したけれど、一回目よりは確実に漕げていた
次の渡月橋の落ち込みも、誰かが沈するのを楽しもうと思って、早めに下ることにする。
今日はソロなので、落ち込みの真ん中から突っ込むつもりでいたけれど、真ん中の岩が少し出ていたので、安全に左側から入ることにした。
ここで沈するのは、大体が右側から入った時なのである。
もっと真っ直ぐに入りたかったのだけれど
ところが落ち込みの手前でスターンが流され、少し横向きになって落ち込みに入ってしまう。
「あっ、やばい!」と思った瞬間には、既にカヌーがひっくり返っていて、そのまま背中から左岸側の岩に打ち付けられる。
したたかに背中を岩にぶつけました
360度カメラを持ったまま沈するのは初めて。
まずはそれが無事であることを確認。
しかし、ライジャケのホルダーに取り付けてあった防水一眼レフカメラがホルダーから外れてしまった。
紛失しないように紐を付けてあったので、水中にぶら下がっているカメラを確保。
そこにヨッシーが投げてくれたレスキューロープが飛んできたのでそれにつかまる。
360度カメラが有ると色々なアングルの映像が記録できる
次に、自分のカヌーを確保しようと思ったけれど、ギリギリのところで手が届かずに流してしまう。
水量の多い時は、ここでカヌーを流すとそのまま下流まで流れてしまうことが有るけれど、今日は何とか他のメンバーが確保してくれそうだ。
カヌーに手を伸ばすが届かず
ほうほうの体で岩に這い上がる。
そこで初めて、周りの風景がぼやけていることに気が付いた。
沈した時にメガネを流してしまったらしい。
昔は、沈する恐れのある川を下る時は眼鏡バンドを付けていたのだけれど、最近は「カナディアンで沈してもメガネを落とすことはないだろう」と思って、眼鏡バンドを付けずに下るようになっていた。
その油断が大きな災いを招いてしまった。
360度カメラと防水一眼レフカメラは無事だったけれど、結果的に紛失した眼鏡を買い換える金額が一番高くついたのである。
流されたカヌーは確保して貰えたけれど、そのカヌーは対岸に。
泳いで渡ろうと思ったけれど、そこにSUPのNモトさんが迎えに来てくれた。
Nモトさんは次週の歴舟川川原キャンプの練習だと行って浮力の大きなSUPに乗っていたので、私が乗ってもびくともしない。
対岸まで一瞬のSUPタンデムだったけれど、なかなか楽しかった。
これで川を下るのも楽しそうだ。
タンデムSUP
私は強度の近視なので、眼鏡がないと殆ど何も見えない。
リタイアも考えたけれど、予備のメガネは車の中に有るので、何とかそこまで下るしかない。
この先は特に難しい瀬もないので、とにかく下ってみることにした。
国体コースを終え、ここからはメガネ無しで下るしかない
川の様子はだいたい分かるけれど、隠れ岩の多い流れでは、下るルートを見極められない。
前を下っている舟を見ながら、それと同じコースで下るようにする。
このような瀬だと下るルートが見えない
何とか下れることは分かったけれど、周りの風景を全く楽しめないのが残念だった。
それでも写真を撮ることはできる。
風景を直接見るよりも、カメラの液晶画面に映る風景の方が見やすいのだ。
これくらい大きな障害物ならば遠くからでも確認できるのだが
この先の難所は噴水の瀬とミニナイアガラの2箇所である。
噴水の瀬はその手前が中洲になっていて、右からでも左からでも下ることができる。
私は一旦中洲に上がったけれど、他のメンバーは下見もなしで次々に下っていく。
私は右側から下ったけれど、左側の流れの方が本流のように見える。
噴水の瀬と言っても落ち込みが一箇所有るだけ。
その落ち込みに何処から入るかを見極めるだけなので、目があまり見えなくても影響は大してない。
無事に下ることができた。
噴水の瀬
次のミニナイアガラでは手前に上陸できたので、そこで一人ひとりの写真を撮って、最後に私が下る。
台風の増水後に現れたミニナイアガラは、出現当時は幅の広い滝のような形状だったのでそんな名前で呼ばれていた。
今は流れもほぼ定まってきて、スライダー的な瀬となっている。
何処を下ろうかと迷うことなく、すべり台の真ん中を滑り降りれば良いだけだ。
ミニナイアガラは単純な滑り台となっていた
すべり台の最後の波ではサーフィンも楽しめる。
そこで一頻り遊んでからゴール地点を目指す。
ミニナイアガラではふざけながら下る人達も
ゴール後、何時もは車に乗せてある予備の眼鏡が無いことに気が付いた時のショックは、川の中に眼鏡を落とした時のショックより大きかった。
空知川を下れたのだから、帰りの車の運転も高速道路を使えば何とかなるだろうと思ったが、それは甘い考えだった。
トンネルの中に入ると完全に視界がぼやけて、何も見えなくなるのだ。
死ぬ思いで自宅まで辿り着き、川下りの時は全体に眼鏡バンドをするようにしようと心に決めたのである。
(当日12:00空知川水位 幾寅観測所:354.11m)