北海道キャンプ場見聞録
尻別川ラフトコース(2020/07/25)
大賑わいの川
尻別川ミニ例会二日目はラフトコースを下る。
さすがに初日の上流部と違って、こちらの方が人気があり参加者は25名。
例会と殆ど変わらない人数である。
中野橋の下からはラフトが次々と出ていく。
コロナの影響でラフトツアーもまだ閑古鳥が鳴いているのかと思ったら、例年の夏と変わらない風景である。
次々とラフトツアーが出ていく
ラフトがいなくなるのを待っている間に、かみさんがNもとさんのSUPに試乗させてもらっている。
もしかしたら、カヌーよりSUPの方が好きなのかもしれない。
SUPに興味のあるかみさん
次から次へとラフトがやってきてきりがないので、途切れた瞬間に私達も出艇する。
全員が水上に出てくると川の上が一気に賑やかになる。
川の上は大賑わい
大人数での川下りの時、かみさんは他の舟の後ろを下るのを嫌がるので、今日も先頭で下っていく。
そして所々で他のメンバーの写真を撮る。
水が少ないので岩避けが忙しい
その間にも団体のラフトツアーや、家族のラフトツアーが次々に下ってくるので、私達も歓声を上げて盛り上げに一役買いながらツアーを見送る。
私達の声援に応えてくれるガイドとお客さん
シーソラプチ川のラフトツアーでガイドも客も全員がマスクをしているのを見て驚いたが、こちらはほとんどのツアーはノーマスクである。
団体のツアーでは結構密な状態でラフトに乗っているし、それで全員がキャーッて叫び声を上げるのだから、マイクロ飛沫を浴びまくりである。
それでも、瀬の波しぶきがコロナウイルスを洗い流し、川のマイナスイオンがウイルスを駆逐してくれて、ここでの感染確率はかなり低そうだ。
この状態でマスクを付けていても意味はない気がする
ヨッシーが連れてきた女性は、今日はカナディアンに一人で乗って下っていた。
先週の屈足で初めてカヌーに乗り、昨日が2回めのタンデムでの川下り。
それが今日、ラフトコースをいきなり一人で漕ぐというのである。
誰もが呆れていたけれど、ヨッシーは「昨日豊平川で練習したから大丈夫でしょう」と意に介さない。
それでも、彼女の直ぐ後ろを下りながら「右に寄って、反対側を漕いで、もっと漕いで漕いで!」と煩いくらいに声を張り上げている。
一方の彼女は、そんな声は全く気にする素振りもなく、瀬の中をスイスイと下っていく。
恐れを知らないということは一つの武器にもなるのである。
瀬に臆すること無くスイスイと下っていく
そんな様子を見ながら、N島先輩が一言。
「千歳川で初めて漕いだ時のヨッシーよりは上手だな」
その時に一緒にいた私も全く同感だった。
一週間前の十勝川ラフトコースで4沈していたビンバさんは、「今日は3沈くらいにしておきます」と言っていたけれど、内心ではリベンジに燃えていたようだ。
その意気込みはパドリングにも現れていて、瀬の中でも力強い漕ぎを見せていた。
力強いパドリングを見せるビンバさん
今日も夏らしい青空が広がっていた。
遠くには入道雲も湧き上がってきていた。
羊蹄山は完全に雲の中で、ニセコアンヌプリにも雲がかかっている。
今日は山登りよりも川下り日和のようだ。
ニセコアンヌプリにも雲がかかっていた
他のメンバーからかなり離れてしまったので、途中のエディで後続メンバーを待つことにする。
そして、ふと横を見ると目の前に子ガモがいたのでビックリしてしまった。
全然逃げようともせず、 近くに親ガモの姿も見えない。
親からはぐれて弱っているのかと思ったが、水の中に入って普通に泳いだり水草を食べる仕草も見せていたので、まだ元気そうである。
これならば、何とか育ってくれるかもしれないと、ホッとした。
親からはぐれてしまった子ガモ、無事に育ってほしい
昨日下った区間よりもバイカモの姿を多く見かける。
川の水もこちらの方が透明度が高い気がするし、やっぱり羊蹄山からの湧き水がこの区間の水質に大きく影響しているのだろう。
尻別川のバイカモ
そして二股の瀬が近づいてきた。
前を下っているのはG藤さんだけ。
かみさんが「下見しないの?」と聞いてきたけれど、気にしないでそのまま下ることにした。
今日は何時も動画を撮ってくれるI山さんがいないので、私がカメラマンをするつもりでいたし、今まで15回位はここを下っているけれど、一度も沈したことがないので軽く考えていたのである。
沈の原因は隠れ岩だったことが後で判明
それが何故か、瀬をクリアしたと思った瞬間にカヌーがひっくり返ってしまった。
直ぐにG藤さんがロープを投げてくれたけれど、カヌーを持ったままそのロープに掴まると、G藤さん一人ではロープを保持しきれない。
しょうがないので、かみさんだけ助けてもらって、私はカヌーと一緒にそのまま流される。
何とか岸に上がれた
水量が多い時だと流れも早く、そのまま下流側の瀬まで流されてしまうけれど、今日は瀞場になっているので大丈夫だ。
しかし、思っていたよりも瀞場の中に流れがあって、どんどん下流へと流されてしまう。
次の瀬の直前で川底に足が届いて事なきを得たけれど、危ういところだった。
レスキュー体制が整うまで、二股の瀬をカナディアンで先に下るものではない。(沈の動画)
ようやく撮影ポジションに付いた時には、殆どの人は下り終わっていた。
それでもまだ、ヨッシーの彼女が残っていた。
さすがにここはヨッシーとタンデムで下ることにしたようだ。
ヨッシーは後からカヤックで下るのかと思っていたら、カナディアンにそのカヤックを積んだまま下って来たのには驚かされた。
そしてそのまま瀬をクリアしてしまうものだから、再び自分たちの沈の悔しさが込み上げてきたのである。
これで下れるのはヨッシーの実力がなせる技だろう
SUPのNもとさんは、ギリギリまで立っていたけれど、最後の波で膝を付いてしまった。
SUPの場合は立ったままで瀬をクリアするのが一つのステータスらしい。
膝を付いたのが余程悔しかったらしく、もう一度上流までSUPを担いでいって再チャレンジしたのは流石である。
立ったまま下ることがSUPのステータスだ
そのままここで昼の休憩となる。
かみさんは身体が冷えてしまってブルブルと震えていた。
ドライバッグの中にバスタオルを入れてあるので、それが少しは役に立ってくれたが、やっぱりドライスーツは夏でも着ていたほうが良いのかもしれない。。
日差しがあるおかげで、かみさんも何とか身体の冷えに耐えることができた
休憩を終えて再び下り始めると、かみさんもようやく温まってきたようだ。
小さな子供がいるマイキーさん夫妻は、交代で子供の面倒を見ながら、昨日は夫、今日は妻と、川も交代して下っている。
ラフトコースの方を奥さんのちえちゃんに讓るあたりが、マイキーさんの優しさだろう。
子供が生まれる前は、何となくフニャフニャした感じでカヤックに乗っていたけれど、子供が生まれると漕ぎまで変わって、どっしりとカヤックに乗っているように見える。
母は強しとは良く言ったものである。
母になると漕ぎも変わるようだ
途中でスクォートカヤックを楽しむ人達にあった。
水中に潜ることを目的としたカヤックなのだけれど、私から見ると何が楽しいのか良く分からない。
上手く流れを捉えて長い間水中に潜っていられると無上の喜びを得られるのだろうか。
この時は気が付かなかったけれど、その中の一人は以前に何度か一緒に川を下ったことのある人だった。
川で遊んでいる人達は、大体が何処かで繋がっているのである。
この区間の楽しみの一つでもある土壁の風景
最後に土壁の風景を楽しむ。
夏の土壁は緑に覆われ、春や秋に見る土壁とは随分印象が違って見える。
ゴールに着く頃には黒い雲が上空に広がってきて、近くではにわか雨も降っていたようだ。
昨日今日と気温は25度程度、暑過ぎることもなく天気に恵まれ、最高の川下りを楽しめたのである。
嫌な雲が広がってきていた
このミニ例会がなければ、観光地に出かける予定が有ったわけでもなく、何の刺激もない4連休を過ごしていたはずである。
企画してくれたOはしさんに本当に感謝である。
(当日12:00尻別川水位 倶知安観測所:167.23m)