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尻別川夏ラフトコース(2018/06/17)

最後の尻別川?

カヌークラブの6月例会は尻別川。
初日は上流部を下る予定だったが、水が少ないとの理由で二日間ともラフトコースを下ることになった。
しかしこの理由は、スリリングな瀬が無くて退屈な上流部を止めるための、こじ付けに過ぎないと思われる。
風景の変化が楽しめる尻別川上流部が私は好きなのだけれど、ここはもはやクラブの例会で下るような川ではなくなってしまったようで、ちょっと寂しい気がする。

他の用事もあり、私は2日目だけ参加することにした。
水が少ないと言いながら、5日前に降った雨の影響で尻別川の水量は何時もより多いくらいだ。

3週間ぶりの川下りなので、水の上に出ると随分久しぶりの気がする。

札幌を出る時は良い天気だったのに、中山峠を越えると急に雲に覆われ、しかも気温も下がってくる。
テンションは下がったけれど、水の上に出れば天気は関係ない。

ソロでこの区間を下るのは初めてなので、今日は小さなエディに入る練習をしながら下るつもりだった。


瀬の中で横を向いてしまっても焦らなければ舟は安定している

スタートして直ぐに始まる岩の多い瀬。
その岩の後ろの小さな瀬に入ろうとするが、大きなカナディアンではそこでピタリと止まるのが難しい。

止まれないと、後ろ向きになったまま瀬の中を流されることになるが、最近はソロで下るのにも慣れてきたので、そんな状態でも慌てることはなくなった。

途中で後ろを振り返ると、熊五郎さんの奥さんのカヤックが腹を見せていた。
一か月前の鵡川でボロボロだった奥さんも、その後は調子を取り戻し、前日の尻別川もノー沈で下っていたはずだ。
ホイッスルを吹いて、前を下っているカヤックのメンバーに知らせた後は、レスキューの様子を見学する。
ソロ漕ぎだと、レスキューに参加するほどの余裕は無いのである。


今日は油断の1沈だけで下った熊五郎さんの奥様


去年の7月練習会の時にファルトボートで初参加したH山さんご夫婦は、今回はダッキーで下っていた。
去年は私が誘ったこともあって、ドキドキしながら二人を見守っていたが、思ったように舟を操ることができず、岩に張り付くなどかなり苦労しながら下っていた。


余裕で下るH山ご夫婦

今年からクラブに正式入会したお二人は、今回の例会は尻別川へのリベンジという重要な意味があったようだ。
そのリベンジは既に昨日果たしていたので、今日は余裕で下っていた。

もう1名、何も分からずに手に入れたばかりのキールの付いたカナディアンで、去年の8月に初めて千歳川を一緒に下ったY川さん。
当時のN島会長のアドバイスを右から左へと聞き流し「オレの話を聞かないY川」との異名を持つに至ったのは既に遠い昔。

その後、OC-1からカヤックまで、次々とカヌーを購入し、今は持っていないのはSUPくらいである。
今回は私が見たこともない形のOC-1に乗ってきて、途中の落差のある瀬では敢えて後ろ向きになって下ってくるほどの余裕を見せる。
千歳川から一年も経っていないのにこの変わり様は、驚く他ない。


ここでサーフィンしようとするY川さん



しばらく下っていくと、橋の橋脚に熊五郎さんが張り付いているのが見えた。


橋脚に張り付く熊さん

その手前に沈しそうな瀬は見当たらない。
一体、どこで沈して、どのようにしてこんな事態なったのだろうと首をかしげながらその横を通り過ぎた。

大事には至らず、何とかそのまま下流へと流されていって、護岸のテトラの隙間で無事にレスキューされる。
しかし、これは重大インシデントである。
本人は「他の人と話していたら突然ひっくり返った」と笑いながら話していたけれど、そこは橋脚の手前で絶対に沈してはならない場所である。

沈は、自分だけの問題ではなく、レスキューする人も危険に晒すことになる。
川を下る時は、それを忘れてはならない。

天気が良いと水しぶきがキラキラと輝き、ホワイトウォーターがとても美しい。
しかし、今日のような曇り空だと、それがただのホワイトウォーターにしか写らない。
それでも、波が逆巻くようなホワイトウォーターだと恐ろしくなるが、今日の水量のホワイトウォーターは、見ているだけで楽しくなる。


ホワイトウォーターと戯れる


何時もならば途中の河原で昼の休憩をとるのだけれど、今日は二股の瀬を下ったところで休憩することにした。

しかし今日は、水量はやや多め。
ここで沈すると、上陸できないまま下流まで流されてしまうことが考えられる。
誰かがそうなると、レスキューのために何人かがそれを追いかけ、結局、ここでの昼の休憩はできないことになってしまう。

自分がその原因にはなりたくないので、妙な緊張感をもって二股の瀬を下った。
少し水を汲んだものの無事に下り終えて、直ぐに後続メンバーの撮影を始める。

今日はI山さんが動画を撮っているので、私は静止画を撮ることにする
ここではカメラの連写機能を使うことが多かったけれど、後で整理するのが面倒なので今日は敢えて連写機能は使わないことにする。

しかし、撮影ポジションが悪かったこともあり、波の中に人が隠れてしまったり、水しぶきしか写っていなかったりと、写真の出来はパッとしなかった。


頭まで波の中に隠れてしまう

水しぶきに隠れてしまう



二股の瀬全景



誰も流されることなく、無事にそこで昼食を食べられることとなる。
ようやく雲の切れ間から日が射すようになってきた。
気温はまだ低いのだろうけれど、6月の陽射しを浴びるとそれだけで暑く感じる。


上陸場所が狭いので、大人数の時は苦労する二股の瀬


キラキラと輝き始めた瀬の中を気持ち良く下っていく。


日が照ると風景も一層綺麗に見える


ボロボロになったフリーダムに変えて、次の舟を買う予定である。
新しい舟になれば、今のフリーダムはキャンプツーリングの時くらいしか出番は無くなりそうだ。
尻別川のラフトコースをフリーダムで下るのも、多分これが最後。
沈せずに締めくくることができて良かった。


ゴールまでゆったりと下っていく


(当日12:00尻別川水位 倶知安観測所:167.47m)



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