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古座川

(一枚岩キャンプ場〜少女峰前)

紀伊半島で下りたい川を幾つかリストアップしていたけれど、途中で雨が降ったりして、なかなか思うように川を下れない。
北山川1本だけでは、せっかく紀伊半島までカヌーを運んできた甲斐がないので、古座川だけでも下ることにする。

増水して濁った古座川しかし、清流として知られている古座川は前日の雨で増水し水も濁っていた。
もともとが穏やかな流れの川なので、増水しても下ることはできそうだったが、こんな状態の古座川を下っても何の意味もない。

予定を一日遅らせることにして、この日は古座川の支流の小川を偵察するだけにしておく。
小川の上流部にある滝の拝は、増水して迫力のある流れになっていた。

小川には柿太郎回しと呼ばれる大きく蛇行している区間がある。
地図で見ると蛇行している区間の一番狭い場所は200mも離れていない。
この区間をカヌーを運べば、蛇行区間の4キロを下ることができるのだ。

そこで、できればここも下ってみようと考えていたが、現地を見てがっかりした。
川に挟まれた部分の土地は川の水面より50m以上も高く、そこから川にカヌーを下ろせそうな道は何処にも無いのである。


小川、滝の拝み   小川の柿太郎廻し
迫力のある滝の拝み   柿太郎廻しではカヌーを下ろす場所がなかった

一枚岩キャンプ場前からスタートそんな訳でこの日は川を下ることなく、古座川の一枚岩キャンプ場に宿泊。
そして翌日、キャンプ場前の川原から古座川へと漕ぎ出した。

ここの一枚岩は日本のエアーズロックとも呼ばれる高さ100m、幅500mの巨大な岩である。
その前から下り始めて、しばらく下流に下ったところでようやくその全体を一枚の写真に収めることができた。

一枚岩が見えなくなっても、今度は違う岩峰が楽しませてくれる。
川岸にも印象的な岩の風景が多く、この辺り一帯の地質の影響なのだろう。


古座川の一枚岩
キャンプ場から少し下って、ようやく一枚岩の全貌が確認できた

岩峰の風景も素晴らしい
青空に聳え立つ岩峰の姿が美しい

古座川を下る水の透明度は昨日よりかなり回復していたけれど、それでも古座川の普段の透明度と比べると全然劣っているのだろう。
それでも、エメラルドグリーンに染まった美しい川の様子にため息が漏れる。

川沿いには道路が走り、所々に集落もある。
これも北海道の川とは違っているところである。

北海道でも直ぐ横を道路が通っている川もあるが、そこに川と人との繋がりはほとんど無い。
こちらの川は人々の生活と川が繋がっている様な雰囲気を感じるのである。

山の斜面では所々で藤が花を咲かせていた。
北海道には野性の藤は無いので、川の上に枝垂れかかっている藤の花に感動してしまう。


古座川を下る
水はエメラルドグリーンに染まり、周りの山々や空を映し込む

沈下橋の下を下る巨大な錦鯉がカヌーの下を泳いでいたり、川岸で亀が甲羅干ししていたりと、北海道の川では考えられないことばかり。
極めつけは沈下橋だった。
沈下橋といえば四万十川のイメージだが、ここ古座川にも沈下橋が架かっていたのである。

橋の下の一部が倒木の絡む急な流れとなっていて少し緊張したが、問題なく通過できた。
初めてくぐる沈下橋である。

その後も真っ二つに割れた巨岩や川岸の奇岩を楽しみながら下っていく。


岸辺に咲く藤   亀の甲羅干し
藤娘?   甲羅干しをする亀

真っ二つに割れた岩   穴だらけの岩
真っ二つに割れた岩   穴だらけの岩

古座川を下る
穏やかな流れだけれど向かい風が強い

古座川の沈下橋
沈下橋の風景

古座川を下るここでも向かい風が強くなってきた。
今回はバスに乗ってスターと地点に戻ることにしていていたので、そのバスの時間が気になってくる。
何せ一日2本しか走っていないバスなのである。

上陸予定地点は、トイレも有って河原まで車で降りられる場所を目星を付けておいた。
その河原の正面に見える岩峰は少女峰と呼ばれ、夏場は水遊びで賑わうところらしい。

途中の川原で昼食にしようと思っていたが、風も強くてバスに遅れるとまずいので、一気に上陸予定地点まで下ることにする。
今回もまた修行じみた川下りとなる。

そうして何とかバスの時間に余裕を持って、予定の場所まで下ってくることができた。

カヌーを風除けに昼食 カヌーを風除けにして昼食のラーメンを食べる。
かみさんは暑くてたまらずに、川の中に入って食べていた。
天気が良かったので、半袖で下った私の腕は真っ赤に日焼けしていた。

この様に人里を流れる清流も良いけれど、私はやっぱり野生動物の気配が濃厚な大自然の中を流れる北海道の清流の方が好きかもしれない。


2016年4月23日 晴れ 


川の中で昼食   少女峰
暑くてたまらず川の中でラーメンを食べる   少女峰と呼ばれる岩峰

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