N島先輩がカヌークラブの掲示板に、「週末に厚田川でも下りませんか?」との書き込みをしていた。 下る川は当別川に変更になっていた。 今回の川下りの言い出しっぺでもあるN島さんも、本音は川下りを中止にしたかったようである。 その、一番張り切っていた筋肉君が集合場所を間違えて到着が大きく遅れ、川を下り始める時には既に11時半近くになっていた。 川から見える神居尻山は薄く冠雪している。 それでも今回、私には密かな楽しみがあった。 化石に詳しい方から、当別川のこの付近でも化石が結構採れると聞いていたので、それらしい露頭が出てくる度にそこに目がいってしまう。 |
そこら中に化石が埋まっているように見えてしまう | 露頭のあちらこちらにノジュールらしきものが |
当別川は春の雪解け時期以外は水が少なくて下ることができないと聞いていたけれど、今回は水も十分にあって快適に下ることができる。 水は若干濁り気味だ。 その濁りのおかげで水中の隠れ岩も見づらく、その餌食になったN島さんが冷たい水の中で泳ぐことになる。 |
M上筋肉君 | タケさん |
N島先輩 | N島先輩岩沈? |
ほとんど下る人のいない川なので、先に何が待ち受けているかは全く分からない。 川岸の樹木にカラスが数匹とまっていた。 川の流れは穏やかで、緊張するような瀬は全くない。 他のメンバーがドライスーツを着ている中で、筋肉君は一人だけウェットスーツである。 それにしても、筋肉君の沈してから素早くカヌーを起こし、そこにパドルを入れ、カヌーを引っ張りながら岸に向かって力強く泳いでいく、その一連の無駄のない動きは、何年もカヌーに乗っている人間でも簡単には真似のできないものである。 今年の5月に皆でアイヌネギを収穫した斜面が見えてきた。 そこを少し過ぎたところで、かみさんが「あっ、何か有ったわよ!」と声を上げた。 これまで、石狩の浜で2枚貝の化石を採取したことはあるけれど、こんな巻貝を見つけたのは初めてである。 |
丸印の場所に化石が埋まっている | 巻き貝化石をゲット! |
すっかり気分を良くして、クジラ化石を発見したど露頭まで下ってきた。 私がクジラ化石を探している間、N島さんと筋肉君は二人でロールの練習を始めた。 見かねたN島さんがロールの見本を見せる。 私は足が水に浸かっているだけで、その冷たさに耐えられなくなってくる。 春に発見した時は、如何にも骨らしい外観だったのだが、今見ている石は苔に覆われていて、とても同じものとは思えない。 時間も午後2時近くになっていたので、途中の川原で休憩する。 道道に架かる青山奥橋の下流にある堰堤が一番の難所である。 最初にN島さんが下って、それを見て、かみさんもようやく素直に下る気になったようだ。 次にタケさんが下ったタケさんは堰堤を通過した後にカヌーが後ろ向きになり、そのまま落ち込みをクリア。 筋肉君は堰堤を終えた後に、頭上でパドルを回すパフォーマンスを披露して皆の笑いを誘う。 |
後ろ向きになっても余裕のタケさん | パドルを回す余裕の筋肉君 |
そこを過ぎれば、ゴールの開運橋までは残りわずか。 おまけに、下っている途中で痛くなり始めた腰の状態が更に悪化してきていた。 日もかなり傾き、余計に寒さを感じてくる。 ようやくゴールにたどり着いた時は既に午後3時を過ぎていた。 それでもやっぱり川下りは楽しい。 ちなみに、5月に発見したクジラ化石は、今回持ち帰ったロールケーキ状の石と同じものであることが、その時の写真と見比べて判明した。(詳細はこちら) 家に戻ってきて、カヌーを車から降ろしカヌー置き場まで運んでいく作業が痛めた腰にとどめを刺したようで、この後数日間、立ち上がるのにも不自由する生活を強いられることとなったのである。 2013年11月9日 晴れのち曇り |
当別川にはこんな露頭が多い |
瀬で遊ぶ人、化石を探す人 |
初冬の当別川の風景 |
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